【あと2日】私を照らす、特別な夜

 こんにちは。のっぴです。

 

 『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 UNIT LIVE! ~A・ZU・NA LAGOON~』の開催まで、いよいよ残り2日となってしまいました……!

 みなさんも様々な思いを抱えていることと思われますが、きっとこの文章をお読みになっている方々は、A・ZU・NAのことが大好きなんでしょう。

 例に漏れず、私もその1人です。

 

 ということで。

 

 友人のスパボさん、こじまりさんの素敵な企画に参加させていただきました。

 『#世界は青いはず』でみなさんのA・ZU・NAへの大好きをご覧いただけます。

 本企画記事について、昨日はしーがまるさんが記事を上げられました。ぜひご覧ください!

 

 本企画における私の担当はDancing in the Lightです。私にとってつかみどころが難しく感じられた一曲なんですが、初めて聴いた時からめちゃくちゃ好きに感じた曲なので、担当にさせてもらいました。

 

 よろしければ最後までお付き合いください。

 

 

①はじめに

 Dancing in the Lightは、A・ZU・NA 3rdシングル『Blue!』のカップリング曲として収録されています。たくさんの楽器が織りなすメロディラインに、まるでおとぎ話のような世界観。ハイテンポでライブで盛り上がること間違いなし。実に楽しい1曲です。

 

 みなさんはDancing in the Lightにどのような印象をお持ちでしょうか?

 歌詞中に「お城」が登場することから、TVアニメ『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』2期 第5話のイメージが湧きやすいと思われます。中世ヨーロッパ風のお城に住む王子様に主人公が恋をする――そんな情景が思い浮かぶのではないでしょうか?

f:id:nsopsi29:20230201143319j:image

 別にA・ZU・NAはしずくを中心とした演劇ユニットというわけではありませんが、たくさんの大好きが共存する彼女たちならではの雰囲気とぴったり合うように感じられます。

 

 しかし!

 Dancing in the Lightの歌詞をのぞいてみると、ちょっと不思議なことに気がつきます。

“今何してる?”ってアナタのメッセージ

心臓がとび出しそうになるけれど

ひとまず落ち着いて お茶でも汲みまして

ゆっくりと考えましょう

 あれ? 思いっきり現代……?

 物語を俯瞰してみると、実は主人公とアナタがメッセージのやり取りをしているだけという情景描写が見えてきます。

 厳密には「メッセージ」が何を指しているのかは語られていないので分かりませんが、少なくともわざわざ手紙で「今何してる?」なんて聞かないと思われるので、恐らくはSNSか何か。これは1番も2番も共通しており、ベースには主人公とアナタが連絡し合っている情景が垣間見えます。

 つまり、Dancing in the Lightの舞台では、メッセージのやり取りをしているシーンと、お城のシーンで何度か場面転換が起こっているといえそうです。

 

 この構成を前提に、Dancing in the Lightの外観を探っていきます。

 

 

 

②場面転換ってそれ演劇ですやん

実直で真面目なアナタの性格

例えるならドラマの主人公みたい

気を引くメッセージもまるで効果なしね

さてどうしようかしら

 Dancing in the Lightの登場人物は、主人公とアナタの2人。「気を引くメッセージ」という歌詞から、主人公がアナタに好意を抱いている様子が伺えます。しかし、残念ながらそれはあくまで片思いなんでしょう。なんとなくそっけないアナタに、主人公がやきもきしているというシーンから始まります。また、「ドラマの主人公」という歌詞からも舞台が現代であることが想像されます。

 余談ですが、「気を引くメッセージもまるで効果なしね」が歩夢パートで、ちょっとにやにやしちゃいます。

 

夜深く寝静まるアナタのお城

優しいから見守りも寝かせています

そっと奥へと 忍び込んだら

王子様のいる扉へひとっとびです

 Bメロから突如としてお城のシーンへと場面転換が起こります。どうやら夜な夜なアナタの居城に主人公が忍び込んでいくところのようです。しかし、登場人物は変わらず主人公とアナタ。これはどういうことでしょうか。

 表現的にはAメロを強調させる効果があると思われます。1番はつれないアナタを振り向かせようとする主人公が、なんとかして攻勢に出ようとしている様子が思い浮かびます。ガードの堅いアナタを堅牢なお城に喩えた表現というわけです。

 

f:id:nsopsi29:20230201173906p:image

 2番は一転して主人公が防戦一方になります。全然つれないと思っていたアナタから不意に届いた「“今何してる?”」というメッセージ。今まではアナタの気を引くために攻め手のポジショニングだったのに、唐突な不意打ちにどう返信するのが正解なのかと悩んでいるみたいです。お城のシーンへと場面転換しても1番と違って攻守が逆転してしまったため、主人公はもうアナタの懐に入り込む余地がなくなってしまったように感じていると思われます。

 

 そして、なんと主人公とアナタがメッセージのやり取りをしているシーンはここで終わってしまいます。えーっ!ウソー!

 ここまでをまとめると、1番は主人公がタチ、2番は主人公がネコといえそうです。主人公がアナタの気を引かせようと試行錯誤していたところ、アナタからその気がありそうなメッセージが届いて慌ててしまった――というように、物語としては大きく進展がないように思われます。しかし、それによって2人の気持ちは大きく変化したように思うんです。次に、気持ちの変化に焦点を当てつつ、Dancing in the Lightを考えてみたいと思います。

 

 

 

③通い合わせる想い

 結局気持ちは伝わった?

 先ほど「物語としては大きく進展がない」と表現しましたが、歌詞全体を眺めてみると気持ちの変化を象徴している箇所があることに気がつきます。

 余談ですが、Blue!でも「(世界は青いはず)」→「(世界は青いかな)」→「(世界は青いから)」とだんだん確信したかのように変わっていく気持ちの変化が見てとれる箇所があります。

f:id:nsopsi29:20230202122927p:image

 ①の「夢の中」「なんてね!」は、主人公がそっけないアナタに対しての気持ちを片思いだと感じているので、端的に言えば主人公の想像の世界でしょう。

 ②の「胸の中」「のはずだよね!」は、①から一転して、アナタから気のありそうなメッセージが届いたことで、どぎまぎしつつも2人の気持ちが通じ合っていることに期待している様子が見受けられます。

 ③の「夢の中」「一緒ね!」は、メッセージのやり取りをしているシーンとしての物語はすでに終わっているので、主人公がアナタとの素敵な未来を予感したものと考えられます。

 

 これだけを見ればDancing in the Lightにおける物語の行き着く先はハッピーエンドだと思われますが、実際に②から③に移行するためには何かしらの形で思いを確かめ合う必要があると思われます。

 というのも、仮に気持ちが一緒だったとしてもその気持ちは自分だけのものであるはずで、何もせずとも勝手に2人気持ちが昇華されて結ばれることは考えにくいからです。

胸の中 ふたり互いに気になり

運命の糸で結ばれ

振り向いたら ほら見えた

優しいその眼差し

ふたり想い合っていて

もう 言葉はいらないの

ずっと前から 知っていたわ

その気持ち…のはずだよね!

 「言葉はいらないの」なんて言っておきながら「のはずだよね!」と確信を持てていないところがかわいい。

 思い返せば、A・ZU・NAのメンバーは自分の気持ちをストレートに伝えることがあまり得意ではありませんでした。TVアニメだけを振り返っても、歩夢のすれ違い、1人で抱え込もうとするしずく、そして「大好き」「期待されること」の狭間で葛藤するせつ菜。自分の気持ちを直接伝えることができれば円滑に進んだシーンもあったと思われます。しかし、彼女たちが婉曲的なコミュニケーションを図ろうとしていたのは、恐らく自分が大切にしているものを主張することの負の側面を知っているから。

f:id:nsopsi29:20230202131526p:image

 でも。

 やっぱり「想い」は何らかの形で出力しなければ伝わりません。A・ZU・NAのメンバーもその経験があるからこそ、伝えること、伝わることの大切さを知っているはず。だからこそ、そういった経験がある彼女たちの歌には説得力を感じさせます。

誰かを好きになるのって

すごく素敵なことでしょ

「大好き!」を届けに行こうよ

ためらわないで まっすぐに

 ちゃんと思いを伝え合い、主人公とアナタで心を通わせることができれば、いずれわざわざ言葉を交わすまでもなく気持ちが通じ合えることと思います。気持ちを通じ合うことができれば、③の素敵な未来の予感も「夢の中」ではなく、近い未来に現実のものとなるでしょう。

 

 

 

④物語の主人公は“あなた”

今日みんなは、自分の大好きの気持ちに素直になれましたか?

ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 First Live “with You”』 より

 改めて私が言うまでもなく、虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会を応援していれば出会うであろう言葉。様々なニュアンスで使われることもありますが、多くの方々の心に響いた言葉になったことな確かだと思います。この言葉に考えさせられるのは、せつ菜だからでもなく、A・ZU・NAだからでもなく、きっと誰もが自分が大切にしているものと葛藤しているからなんだと思うんです。

したいこと、好きなことだから(Over days)

たくさんの可能性と かくれんぼしたよ(Lalalala..)

 「大好き」って気持ちだって時に暴力的で、誰かを傷つけてしまったり、逆に傷つけられてしまったりするものです。だからといって、その気持ちに嘘をつくのは、もっとつらい。演じることが大好きで、それを出力できるおままごとが大好きで、その結果として誰も遊んでくれなくなった経験があったって、その気持ちは他でもない自分だけの気持ちだから、自分が大切にしてあげなければいけないものでしょう。

 Dancing in the Lightの主人公とアナタは、いずれ同じ気持ちになることと想像されますが、この主人公が感じている気持ちだって、アナタとは違うかけがえのない自分だけの大好き。

 そんな「大好き」の前身たる「ときめき」すら自分だけの微熱だから、「Feelin’ high」した気持ちは、ちゃんと涵養して、そして、出力してあげたいなって思うんです。

 

 私はしずく推しです。

 そして、A・ZU・NAが大好きです。

 だから、全力でライトブルーを振ります。

 これは私にしかできない応援、そして、この物語の主人公は私だから。

Feelin’ high

The special night

ほら Light me up

 初めてA・ZU・NAを好きになった時の気持ちを覚えていますか?

 その時に素敵だなと感じた気持ち――自分だけのときめきを大切にし続けることができれば、その思いはかけがえのないものとして、いつだってきっと照らしてくれることでしょう。

 ときめく特別な夜に、すべての「想い」が照らされますように。

 そう信じています。

 

 

 

⑤おわりに

 最後までお付き合いくださり、ありがとうございました!

 

 Dancing in the Lightはリリース当初からすごく好きだなと感じていました。本企画をはじめ、何らかの解釈については正解がないものと思われます。それでも、このように言語化できる機会があるのは、改めてありがたく思うばかりです。

 自分が大切にしているもの(=大好き)を涵養することと、その「想い」を出力することは、一見相反しているかのように感じられます。かつて私自身が葛藤していたことでもありました。どちらをより大切にするのか、もしくは、どちらも大切にするのかは人によってばらばらだと思いますし、つまるところ、「ココロに聞いて ときめく空へ」が大切なのかなと思うんです。私が大切にしている考え方の1つにもA・ZU・NAをきっかけにしたものがあって、改めて受け取ったものの大きさを実感します。

 開催にあたってやっぱりちょっとだけ寂しいなと思ってしまう節もありますが、どんなことがあっても私にとってのライブの価値は変わらないので、いつも通り楽しめたらと思っています。

 

 さて、本企画のバトンリレーもいよいよ明日で最後となりました!

 ここまで10人がつないできた記事の最後を飾るのは、スパボさんでBlue!です!

 

 それでは、アンカーよろしくお願いします!

この胸にやさしさが咲いた日は

 こんにちは。のっぴです。

 

 TVアニメ2期が終わり、『ラブライブ!スーパースター!! Liella! 3rd LoveLive! Tour ~WE WILL!!~』の開催まで、いよいよ残り9日に迫ってきました!

 新たに2期生が加わって9人になったLiella!を見られることが本当に楽しみです。

 

 そしてそして!

 

 今日は推しであるの誕生日!

f:id:nsopsi29:20221115210053p:image

 そんな大好きな推しについて書いていきます。

 

 よろしければ最後までお付き合いください。

 

 

①はじめに

 私がを好きになってからちょうど1年くらい経つんですが、彼女は未だにつかみどころが難しいと感じます。

 やっぱり自身があまり心の内を明かさない性格っていうのが大きくて。

 抱えている背景的になかなか共感しづらいところもあると思うんですが、たぶんこれが彼女元来のキャラクターなんだと思います。

 でも。

 心の内を明かさないことは別に悪いことじゃない。

 言い換えれば、大切にしたいものがたくさんあるといえるかもしれません。

f:id:nsopsi29:20221115210612j:image

スクールアイドルもやっぱり活動は禁止なんですか?

この学校で一番結果を出しているのに!

それだけは……。

TVアニメ『ラブライブ!スーパースター!!』 第8話「結ばれる想い」 より

 恋が頑なにかのんたちのスクールアイドル活動を認めようとしなかったのも、たくさんの非難を受けてでも賭して守りたいものがあったから。

 結果的にそれは早合点だったわけですが、が大切にしたい気持ちに嘘があったわけでもありません。というか、大切なものを守るためにも前を向いたのが、Liella!に加入した後の彼女かなって思います。

 

 そんなが大切にしているものの原点は、彼女の過去にあるように感じます。私なりの解釈を交えつつ、TVアニメで描かれたの人物像を追っていきます。

 

 

 

②過去の忘れもの

 かのんたちが行うスクールアイドル活動をが嫌がっていた頃、彼女は常にどこか余裕なさげでした。というのも、結ヶ丘女子高等学校の創立者であるの母親はすでに故人であり、その母親が残した学校を継ぐというあまりにも重すぎるプレッシャーが、彼女をそうさせていたように感じます。

 の焦燥感はスクールアイドルがちらつくと特に顕著です。彼女がスクールアイドル活動を認めようとしなかったことは、すみれからも苦言を呈されていた通り、他生徒からすれば身勝手すぎる理由でしょう。

 しかし、の視点に立ってみると別問題。自分が悪者になってでも、母親が後悔していたかもしれないスクールアイドル活動を、どうしても認めることができなかったんだと思われます。

 

 さて、ここまではあらすじ。

 この時のには、母親との思い出に空白がありました。

f:id:nsopsi29:20221124133956j:image

恋。スクールアイドルは、お母さんの最高の思い出!

TVアニメ『ラブライブ!スーパースター!!』 第8話「結ばれる想い」 より

 に記憶の空白があった原因が、たまたまそこだけ忘れていたのか、ショックで忘れてしまっていたのかは分かりません。スクールアイドル活動の写真すら残っていないことで、母親の言葉に実感が持てていなかった可能性だってあります。最終的に、かのんたちが部室で見つけたノートによって、は母親の言葉を鮮明に思い出せるようになりました。

 しかし、大事だと思われるのは、彼女の記憶に空白があったという事実です。この空白は、母親がスクールアイドル活動を後悔していたんじゃないかという疑念につながるものでしたが、それ以上に、にとって過去とのつながりを阻害させていたものだと思うんです。

だから私は、みんなと約束した。「結」と文字を冠した学校を、必ずここにもう一度創る。音楽で結ばれる学校を、ここにもう一度創る。それが私の夢。どうしても叶えたい夢。

TVアニメ『ラブライブ!スーパースター!!』 第8話「結ばれる想い」 より

 というのも、部室に隠されていたノートには、創立者である母親の「夢」が記されていました。にとって、スクールアイドル活動を通じて結ヶ丘女子高等学校創立の決意を確かにした母親の真意は、母親の「ただあの子が自分で決めるのを見守っていてほしい」という気持ちもあり、これまで知る機会がなかったものだと考えられます。

 

 だから、第8話はにとってノートを通じて過去と今が結ばれた瞬間でもあり、母親の口癖だった「同じ場所で、想いがつながっていてほしい」の意味を心から実感することで、思いを未来につないでいくという決意を新たにした瞬間でもあると思うんです。

 

 その時に彼女に生まれた確固たる矜持は、学園祭で披露されたWish Songによく表れているように感じます。

 

 

 

③途切れはしない 風をはこぶよ

途切れはしない 風をはこぶよWish Song

 私はすごく「風」というものが大好きなので、もちろんWish Songのこの歌詞もめちゃくちゃ好きなんですが、「風」と言われて一番に思い浮かぶのは、やっぱりLiella!に加入するシーンです。

f:id:nsopsi29:20221124160335j:image

 このタイミングで風が吹いた理由については、作中で語られていないので想像するしかありませんが、加入を迷っていたの背中を最後のひと押ししたものになったのは事実です。彼女の加入は普通科と音楽科が結ばれる象徴的なイベントになったことを考えると、母親による「同じ場所で、想いがつながっていてほしい」という願いが風となったバタフライエフェクトとも考えられるでしょうか。

 この「想い」を「風」にするという表現は、自身も母親から受け継いでいると思われ、未来は風のようにの彼女のパートなどでそれを感じることができるかもしれません。

想いは風になって

明日を動かすんだ

いつも予想できないことが起こる

 そういう意味でも、母親から受け継いだものをつないでいくは、過去と未来を結んでいくメンバーといえます。

 

 そういった自身のバックボーンとかを踏まえたうえで、学園祭という学校を内外にアピールするイベントで歌われたWish Songという曲は、普通科と音楽科、過去と未来を縦横に結んだ特別な曲なんだと思うんです。

 「歌」というもの自体にも、後世に「想い」を伝えるためにメロディを言葉に乗せたという源流があるので、「途切れはしない 風をはこぶよ」という歌詞からは、私たちがこの思いをつないでいくというある種覚悟のようなものが垣間見られるように感じます。

f:id:nsopsi29:20221124164434j:image

 

 

 

④限界突破! UR 葉月恋

 さて。

 

そそぐの情熱

 

f:id:nsopsi29:20221124164748j:image

 

注ぎすぎ。

 

 2期 第7話に話を移します。

 話といっても、ゲームにはまるだけの回なんですが、同時に、彼女が大きく成長した回でもあると感じています。

 

 私はゲームにはまるを見て、めちゃくちゃ意外性を感じました。そして、それは多くの方にとってもそうだったんじゃないかなと思います。彼女のイメージとして挙げられる、

  • お嬢様
  • 真面目で勤勉
  • 責任感が強い

などの、外から見たというものがあったからでしょう。言い換えれば、「彼女はこういう人間だ」という一種のバイアスがあったんだと思うんです。

ずっと遠い世界の人だと思ってたっすから。

TVアニメ『ラブライブ!スーパースター!!』2期 第7話「UR 葉月恋」 より

 ただ、そういったイメージは誰しもが抱えているものだと思いますし、別にそれが悪いわけではありません。なんなら、自身も「私はこういう人間だ」というように、自分の枠組みを規定していたように感じます。

 その枠組み(=限界)は彼女がゲームに熱中することで壊されることとなります。はもともと微熱のワルツなどで歌われているように、自身の気持ちを心の内に秘めがちな性格です。たくさんのものを抱えている彼女は、一度暴走するとその情熱のコントロールを彼女だけではどうすることもできなかったんだと思うんです。

 

f:id:nsopsi29:20221124181810j:image

 だからこそ、仲間が必要。

 というのも、彼女が寝不足になってしまった原因はゲームでしたが、生徒会の雑務をただ一人でこなし続けていたのもまた事実。母親のこと学校のこと、すでにはたくさんのものを抱えているにも関わらず、生徒会と作曲とただ一人頑張りすぎている彼女は、容量オーバーを迎えていたことでしょう。

 恋ゲームになんかうつつを抜かしていることを、他メンバーに怒られることを恐れていました。「こんな恥ずべき私を見せるわけにはいかない」「生徒会長として他生徒の模範にならなければいけない」と。

私に副会長をやらせてほしい!

副会長?

力になりたいの。恋ちゃんがお母さんから受け継いだこの学校を、私も一緒に盛り上げていきたい。

TVアニメ『ラブライブ!スーパースター!!』2期 第7話「UR 葉月恋」 より

 生徒会にはかのんきな子が入り、生徒会長であるを支えるようになりました。今までただ一人で雑務をこなしていたにとって、スクールアイドル活動とは別に一緒に活動できる仲間ができた瞬間です。そして、が抱えていた学校への微熱を、かのんたちに共有できたともいえます。

 

 はゲームを通して、自身が抱える熱量のコントロール・共有ができるようになりました。一緒に夢を追いかけられる仲間は、彼女にとってかけがえのないものになったことでしょう。

 

 

 

⑤Liella!の中心で未来を歌う

 Liella!は昨年の記録を超えるだけではなく、見事ラブライブ!全国制覇を果たしました。その決勝曲として、神宮競技場で歌われた未来の音が聴こえるは、何を隠そうがセンターでした。

f:id:nsopsi29:20221124202210j:image

 このステージに立つのに、かのん留学の一件は外せないでしょう。結果的に留学は中止になりますが、未来の音が聴こえるを披露して優勝を勝ち取るまでは、かのんがいなくなる寂しさを全員が抱えていたはずです。音楽で結ばれた絆も、メンバーが欠けることでほどかれてしまうかもしれない怖さ。

でも、1つだけお願いがあるの。Liella!は続けてほしい。1人でも欠けたらLiella!じゃない、この9人でLiella!だって気持ちは分かるよ。私だってそう思う。でもやめてほしくない。

TVアニメ『ラブライブ!スーパースター!!』2期 第12話「私を叶える物語」 より

 しかし、かのんは全員にLiella!をやめないようにお願いしました。遠く離れていても、互いに頑張っていることを思えば背中を押し合えるような関係。離れていても結ばれている。

 そんな「結」が一人ひとりのメンバーに強く意識されたうえで披露された曲のセンターは、まさに結ヶ丘女子高等学校の擬人化とも言うべきでした。

 

f:id:nsopsi29:20221124210756j:image

自分のこと少し信じられた日 風が吹いたんだ

 この曲もまた「風」が意識されているように感じられます。本記事で「風」の正体について議論するつもりはありませんが、風はどこか新しい場所へと連れて行ってくれるような、そういった象徴にも感じられます。そして、風に背中を押されて加入したが、「想い」を風にして明日を動かしていくが、Liella!のセンターで未来を歌っている。これはかのんを含めた新しいスタートに対してのエールを送っているように思うんです。

 これについては伊達さゆりさんもリエラジで言及していました。

なんか「風」ってさ、思い出があって私。恋ちゃんの1期のさ、風で押してくれたやつあったじゃない? すごくそれ思い出して。しかもね、恋ちゃんがセンターだからさ、なんか結女の象徴みたいな。恋ちゃんが真ん中にいてくれることによって、しかも、風がまたみんなの背中を押してくれたりとか。すごく思い出して、あのシーンを。

【第88回】ラブライブ!スーパースター!! 結女放課後放送局 リエラジ!/#87 LoveLive! Superstar!! Liella! Radio より

 

 ラブライブ!優勝って、いわば多くのスクールアイドルたちにとって夢であり、一種のゴールだと思います。しかし、決勝のステージでその先の未来を歌った彼女たちは、留学の一件も内的なファクターになったと思いますが、ぶっちぎりで優勝に至ったことと思うんです。

てっぺん越えても 終わらないよ冒険

(ゴールに見えてた) でもスタートライン

 その中心に過去から未来へつないでいくメンバーといえるがいるのは、やっぱり無関係ではないと思います。また、彼女の母親が願った音楽で結ばれることをLiella!全員が自覚しているのも一人ひとり強くさせた要因でしょう。個人にフォーカスしても、2期 第7話で強く成長できたことが優勝の遠因として寄与しているように思われてなりません。

 

 

 

⑥おわりに

 最後までお付き合いくださり、ありがとうございました!

 

 もう色々なものを抱えている姿とか、ただ一人悩み続けている姿とか、見ていてしんどすぎて、もっと甘えて〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜と思いながら見守っていました。

 強い責任感も、襟を正して頑張るところも、小さい頃からしっかりとたくさんの人に愛されて育てられてきたことの証左だと思います。

 

 今後どんな姿を見せてくれるのかどきどきですが、成長した彼女ならどんなことでも乗り越えていけることでしょう。そう信じています。

 

 仲間、そして、親友に巡り会えて良かった。

 

 これからも素敵な人生を歩んでください。

 

f:id:nsopsi29:20221124214251j:image

 はやれ。

栞子ってどんな人? 適性って何? 彼氏はいる? いっぱい考えてみた☆

 こんにちは。のっぴです。

 

 というわけで、10月5日になりました!

f:id:nsopsi29:20221005000339p:image

 おめでとうございます!

 かわいい〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!

 

 メンバーの誕生日に記事を書くっていうやつを以前からやってみたかったのもあって、前々から整理したかった栞子について、物語の展開がひと段落したこのタイミングで、ちょっと考えたことを書こうと思った感じです。

 

 よろしければ最後までお付き合いください。

 

 

①はじめに

 栞子を考えるにあたって、彼女の登場から簡単に振り返る必要があるかなと思います。本記事ではざっくりとしか触れないので、詳細は友人のしろやぎさんが書かれている随時更新の年表記事をぜひご参照ください!

 栞子虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会に新メンバーとして加入したのは、スクスタのストーリー第17章が更新されたタイミングです。新メンバーの加入はラブライブ!シリーズとしても初の試みで、加入した当初は様々な議論が巻き起こっていたのを覚えています。物語内でも紆余曲折はあったものの、最終的には栞子本人の「やってみたい!」という気持ちが鍵となり、“あなた”を除いた10人目のメンバーとして、2020年8月3日に正式な加入が発表されました。

f:id:nsopsi29:20221005000640j:image

 ただ、新メンバーとして加入こそしたものの、その後に放送されたTVアニメで彼女が登場することはなく、しばらくの間はTVアニメから登場したパラレルワールドのような存在になっていた印象を持っています。時が流れ、同じく新メンバーとして加入したミア嵐珠とともに、R3BIRTHとしてのユニット活動も始まり、TVアニメ2期の開始とともに満を持して登場するなど、ここまで波瀾万丈ながらも濃密な時間を過ごしていたと思います。

 このように、興味深い略歴を持つ栞子ですが、彼女は「人はそれぞれ適性に合ったステージにいるべき」という適性」というものを大切にしています。彼女の考え方は、メンバーとの交流を通して少しずつ変わってきていますが、適性主義というベース自体は変わっていないようにも感じます。また、それは彼女の行動にも強く表れているようです。心の中を直接観察することはできないので、栞子が考える「適性」というものを中心にして、行動からパーソナリティを探ってみたいと思います。

 

 

 

②適性主義

 栞子の適性主義は物語が紡がれる媒体を問わず描かれていますが、どれも彼女の姉である薫子が大きく影響しているようです。

f:id:nsopsi29:20221005000946j:image

適性に見合う生き方をしていれば安泰な三船の跡取りだった私が、何もかも失ったのは……

スクールアイドルに……スクールアイドルフェスティバルに、入れ込みすぎたから……

ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル ALL STARS ストーリー First Season 第17章「スクールアイドルフェスティバル!!」 第8話「過去との再会」 より

結局、姉にはスクールアイドルの適性がなかったのでしょう。 思うような結果が得られず、夢破れ、傷ついて終わりました。

TVアニメ『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』2期 第7話「夢の記憶」 より

 薫子の過去について、スクスタの物語ではスクールアイドルフェスティバル始めた人物として、TVアニメの物語ではスクールアイドルをやっていた人物としてという違いがあります。しかし、姉を見て育った栞子が誤解ともいえるような早合点した結果、良くも悪くも人それぞれの適性を大切にするようになったという点はどちらも共通していました。

 

 さて、そんな栞子が言う「適性」ですが、具体的にはどういった意味になるでしょうか。「適性」という言葉の意味を調べてみると、

性格や性質が、その物事に適していること。また、その性格や性質。

Weblio国語辞典』 より

のように書かれていました。

 なんだか分かったような分からないような……って感じですが、結局は対象の素質があるかどうかというところのようです。

 しかし、「適性」という言葉にもけっこう揺らぎがあると思われます。例えば、「楽しむ適性」という表現をした時に、それは適性の適正な使い方じゃないと言われる余地はありません。友人のろっぷるさんが以前書かれた記事から引用させていただくと、

栞子は「その人の能力が活かせ、結果が残せる」ことを適性と表現した(正確には違ったかもしれないけど)。対して私は「その人がやりたいと思える」ことを適性だと思う。

適性とはなんだろう より

このように言えるかもしれません。「適性」という言葉は、使う人によって意味が異なってくる可能性があるということです。

 

 もともと栞子「やりたいこと」よりも「できること」を重視している節があり、当初はそれぞれがそれぞれのステージで輝けることを「適性」って表現していたのかなと思っています。

 ただ、時間の経過とともに、「適性」の意味も少しずつ変化しているように感じます。彼女のコーレスに「ライブを全力で楽しむ適性です!」と言うやつがありますが、「楽しむ適性」というものがあったとしても、それは何かしらの成果を残せるものではないでしょう。これは栞子がスクールアイドル活動に情熱を注ぐメンバーたちと交流していくことによって、彼女の考え方が変わっていった結果の表れだと思います。

できない理由を探すなら

はじめてみればいいよ

大好きなことは大好きなんだ

 

 とはいえ、栞子は当初の「できること」を重視する姿勢も、別に捨てたわけでもないと思っています。歩夢から言葉を借りるなら、「前に進むって、大切なものが増えていくってことなのかな」みたいなイメージ。

 栞子にとって「やりたいこと」も大切なものに昇華された結果、彼女が考える「適性」に新しい意味が加わったものだと思うんです。

 

 そもそも、栞子がなんでこんなにも適性主義を掲げ続けているのかを考えた時に、突き詰めると彼女が目指している夢が関わってくるのかなと思います。次に、彼女の役職である生徒会長を軸にして、栞子の夢について見ていきます。

 

 

 

③生徒会長の矜持

 スクスタとTVアニメで栞子が生徒会長になった経緯は違いますが、たぶん大切だと思うのは、彼女は最終的に生徒会長になる人物だということ。目的地が同じであれば、その道を通る手段が何であってもたどり着くってやつです。

 そういった点を踏まえると、彼女が虹ヶ咲学園の生徒会長というポジションに就く以上、前生徒会長を務めていたせつ菜とは切っても切れない関係にあると思います。

 

 TVアニメでは、生徒会長だったせつ菜の任期満了に伴い、栞子にバトンを渡すという形で世代交代が行われました。

f:id:nsopsi29:20221005001346j:image

この学園のみなさんのために、働きたい。私、生徒会長に立候補します!

ええ。栞子さんは、栞子さんの叶えたい未来を作ってください。

TVアニメ『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』2期 第11話「過去・未来・イマ」 より

 この発言から考えるに、栞子には誰かの夢を応援したいという気持ちがあるようです。適性の話を抜いたとしても、この気持ちが彼女における行動原理の一端といえるかもしれません。

 TVアニメに対して、スクスタでは栞子せつ菜に「生徒会長としての資質を感じられませんでした」と言い放ち、新生徒会長として立候補するところから始まります。結果としてせつ菜は再選挙で栞子に敗れ、栞子が虹ヶ咲学園の生徒会長に就任しました。この選挙戦で決め手になったと思われるのは、公開討論で栞子せつ菜の矛盾を突いたことです。

20221005001657

彼女には大好きなことが他にあって、それを守るために、自分の気持ちを殺して生徒会長をやろうとしている

無理して生徒会の仕事をしようとしている

その姿勢がそもそもの理想と矛盾しているんです

ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル ALL STARS ストーリー First Season 第9章「せつ菜の試練」 第6話「公開討論」 より

 せつ菜の「大好きなことに打ち込める学園」という理想は、せつ菜自身が大好きなことに打ち込めていないという決定的な矛盾によって、彼女は何も言い返せなくなってしまいます。なかなか嫌なところを突いてきたって感じですが、この栞子の論理を覆すことができなかったせいで、そのまま選挙戦に負けてしまったように思われます。

 

 さて、せつ菜の矛盾を突いて生徒会長の座に就いた栞子ですが、そんな彼女もまた矛盾を抱えています。彼女は適性主義を掲げた徹底的なリアリストであるにもかかわらず、目指している世界は現実と遥かにかけ離れたロマンチシズムの様相を呈しているからです。

私が望む遥かな世界 どこにあるんだろう?

誰もが幸せになれる世界 探して

 そんな栞子の夢は「誰もが幸せになれる世界」を作ること。これは「夢」より「理想の世界」という表現のほうがしっくりくるかもしれません。引用した歌詞にある通り、彼女が考えるこの理想の世界を彼女自身「遥かな世界」と表現しています。

 彼女自身がこう言っているので、あえて誇張した表現を使いますが、栞子が掲げるこの理想の世界は、決して叶わない夢でしょう。

 

 栞子キズナエピソードをのぞいてみても、自身の理想に対して「途方も無い夢物語」と表現していました。前生徒会長であるせつ菜も、自身の掲げる理想の世界を「野望」と表現しており、この点においてはシンパシーすら感じます。

 又聞きで「誰もが幸せになれる世界」なんて理想を耳にしたら、すごくばかげたことのように感じてしまうと思います。だって、叶わないと分かっている夢を掲げ続けても、いつか挫折してしまうと思うから。栞子がずっと「できること」を大切にしていたのも、挫折する人を出したくなかったからです。

f:id:nsopsi29:20221005002003p:image

 これらを踏まえると、栞子が「適性」というものを大切にしている根の部分には、不幸な人がいないような世界に変えていきたいという、とても大きな願いがあることが分かります。だから、やりたいことをやって挫折するより、できることをやって成功体験を積むという考え方が(主に姉を見て)生まれたのかなって思います。

f:id:nsopsi29:20221005002655p:image

 栞子は休日にボランティア活動を行うなど、誰かのために尽くせる人物であることが、これまでのエピソードからも伺えると思います。また、彼女はせつ菜からも利他的な性格と評されていました。せつ菜が生徒会長だった時代も、せつ菜は生徒会長として多くの生徒のために尽くしていたことは容易に想像できます。しかし、誰かのために尽くせる力は、たぶん栞子のほうが圧倒的に適性あり。

 少しひねくれた見方をすると、「やりたいこと(=大好きなこと)」を大切にしていたせつ菜と比べて、「できること」「やりたいこと」の両方を「適性」と表現できるようになった栞子のほうが生徒会長に向いている人物といえるかもしれません。

 

 栞子が自己紹介する時に、必ず「虹ヶ咲学園生徒会長」と言うように、彼女は最終的に生徒会長になる人物です。せつ菜に生徒会長の適性がなかったなんて言うつもりは絶対にありませんが、TVアニメでも栞子にバトンを渡された以上、もっとより良い虹ヶ咲学園にするために奔走してくれることでしょう。

 生徒会長として自信がついた暁には、虹ヶ咲学園のすばらしさを伝えるために、ぜひコンセントレイト!を歌ってほしいものです。

 

 

 

④空を舞う蝶のように

 栞子が掲げる「誰もが幸せになれる世界」を、先ほど私は「叶わない夢」と表現しました。もちろん誇張した表現ですが、はたから見てもいかに難しい世界であるかは分かると思われます。

 本人もその難しさを理解しているような夢を、それでもなお「私のうた」として掲げ続けられる理由はどこにあるんでしょうか。そのヒントは決意の光の歌詞にあるように感じます。

ひらひらり空を舞う蝶のように 僅かでも風を起こして

やがて誰かの背中を押す日まで

頼りなく揺れる心 飾らずに打ち明けたなら

輝ける

 この歌詞は栞子が持つ「叶わない夢」に対する回答をバタフライエフェクトに喩えたものだと考えられます。

 バタフライ効果とは、エドワード・ローレンツによる『Does the Flap of a Butterfly’s Wings in Brazil Set Off a Tornado in Texas?』(ブラジルでのちょうの羽ばたきはテキサスで竜巻を引き起こすか?)という講演のタイトルが出典です。話を複雑にさせるつもりはありませんが、要はちょうの羽ばたきよって発生したわずかな風が、巡り巡っていつか誰かの背中を押すくらいの大きな風になるといったもの。

 

f:id:nsopsi29:20221005003009p:image

 栞子は「誰もが幸せになれる世界」が「遥かな世界」であることを自覚しており、そんな無謀な夢を歌に乗せて伝えることに本人もかなりの葛藤があったようです。

f:id:nsopsi29:20221005003255p:image

 しかし、同じように悩んでいる人たちを支えたいという気持ちから、まずは飾らない素の自分を出すという結論を導き出します。余談ですが、決意の光の「決意」の部分は、今は叶わないような無謀とも思える理想の世界に向けて、誰かの背中を押せる日まで努力し続けるという、栞子なりの意思表示なのかもしれません。

 これらをまとめると、栞子の夢は「叶うこと」に重きを置いているわけじゃなくて、「誰かの背中を押してより理想の世界に近づくこと」に重きを置いているんだと思います。栞子が起こせる風はわずかかもしれませんが、それが多くの人の幸せにつなげていくような願いを持っていると考えられます。

 他人のために尽くすことができる彼女は、誰かに届くその日まで「人知れず涙こぼす」ことができる人物といえるでしょうか。

 

 ところで、決意の光の歌詞にもありましたが、栞子には「蝶」をモチーフとした表現が他にも登場しています。

f:id:nsopsi29:20221005003909j:image

 TVアニメではEMOTIONの曲中でも登場していました。

 先日行われたライブでも、小泉萌香さんがEMOTIONを披露されている最中に、かたどられた「蝶」が会場内を舞っていたことも記憶に新しいです。

 栞子にとって「蝶」というアイテム(?)は、彼女を象徴するモチーフと考えられ、決意の光で描かれたと考えられるバタフライエフェクトと併せて、彼女は「蝶」属性のスクールアイドルといえるかもしれません。

 いきなり「蝶」属性なんて言われても……って感じだと思うんですが、バタフライエフェクトの「届ける」という側面に注目してみると、彼女が持つ曲はすべて誰かに届けようとする内容だったことも思い出されます。

 また、本記事で「蝶」の正体について議論するつもりはありませんが、スクールアイドル時代の薫子も衣装に「蝶」を付けており、姉妹間で受け継がれた情熱(夢)と考えることもできるでしょうか。そんなことを考えていると、「蝶」の異名として「夢見鳥」なんていうものがあるのも、なんだかそれらしく感じてしまいます。

 

 これは解釈の話になってしまうので、プラスで要素を出しておくだけにしますが、「蝶」は成長していく過程で完全変態を遂げることから、「不滅」の象徴としてもよく挙げられるようです。

 「不滅」に関しては、TVアニメで描かれた栞子に置き換えてみると分かりやすいかもです。

 幼少期の栞子は、姉の薫子がスクールアイドルをやっていたことから、スクールアイドルに対して一種のときめき(憧れ)を抱いていました。しかし、ラブライブ!本戦の出場が叶わなかった薫子を見て「挫折した」と感じてしまい、そこから夢を見るより現実に即した「適性」というものを大切にするようになったと思われます。

 でも。

 薫子も言っていましたが、栞子が感じたときめきは消えていなかったと思うんです。

でも、これは姉の勘なんだけど、あの子のやりたいって気持ちは、変わってないと思うんだよね。

TVアニメ『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』2期 第7話「夢の記憶」 より

 というか、一度感じたときめきは消えないものだと思うんです。2期 第7話では栞子の過去に迫るシーンにおいて、凍結した心という劇伴が流れています。まさに彼女の状況を如実に表したように感じられる曲名だと思います。つまり、栞子のときめきは消えたのではなく、ステージで泣いている姉を見たあの日からずっと凍っていたもの。

f:id:nsopsi29:20221005005240j:image

 憧れの人の涙なんて見たくない。

 大好きなものの負の側面なんて見たくない。

 たぶん誰しもがそういった気持ちを持っているものだと思っていて、栞子が自身のときめきに蓋をしたのも、スクールアイドルに憧れていたあの頃の素敵な思い出を、これ以上汚されたくなかったという防衛本能とも考えられます。

f:id:nsopsi29:20221005021701j:image

 そんな止まっていた(凍っていた)ときめきをもう一度動かすためには、歯車を回すための鍵が必要になってくるでしょう。EMOTIONで登場する鍵が「蝶」をイメージされていたことから、栞子が感じたときめきは不滅のものという喩えのようにも感じられます。

 「あなたに届け EMOTION」という歌詞があるように、「届ける」という側面に注目しても面白いかもしれません。

 

 今後も栞子に関連するアイテムとして「蝶」が使われるかは注目していきたいところです。

 

 

 

⑤まっすぐ系スクールアイドル

 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の各メンバーには、それぞれに「○○系」という肩書きがあります。栞子に与えられた肩書きは「まっすぐ系スクールアイドル」でした。

 確か初出は『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会生放送 Welcome! 栞子ちゃん 今日から一緒に生放送』だったと記憶しています。

 私は当初彼女の肩書きがあまりしっくりきていませんでした。たぶん栞子の「適性」という杓子定規に基づいて評価する姿勢を鑑みた時に、「まっすぐ系」と表現されることに少しだけ違和感があったから。

 しかし、栞子のパーソナリティである「誰かのために尽くせる」という力から、「誰もが幸せになれる世界」という、どこまでも純粋無垢かつ愚直で壮大な願いが生まれます。彼女の肩書きである「まっすぐ系」は、こういったところが所以だと考えられ、まさに栞子を表すのにぴったりな言葉といえると思います。

 

 ラブライブ!シリーズでは、「想い」は出力しなければ伝わらないというものがよく描かれているように思います。

言葉だけじゃ伝えきれないよ どうする?

(こんなとき)歌うよ歌うしかない

言葉だけじゃ足りない

そう言葉すら足りない故に すれ違って

ぱっと生まれてはひかる気持ち

口にしなきゃすぐに消えてしまうね

 ただ、栞子の場合、「想い」を出力するだけでは足りなかったんだと思うんです。

f:id:nsopsi29:20221005141731p:image

 スクスタでは、彼女が生徒会長に就いて以降、より良い学校説明会に向けて何度も各部と会議を重ねるエピソードが描かれていました。しかし、彼女の適性主義という考え方は、多くの人たちにとってぴんとこな青天の霹靂だったわけです。だから、栞子は思いを言葉にするだけではなく、飾らないで自分に正直になる必要があったんだと思われます。

 

 そして、そんな栞子正直な気持ちを最後にひと押ししたのが歩夢でした。

大切なのはやりたいかどうか。

やりたいって気持ちがあるんだったら、その気持ちに嘘をついても辛いだけ

栞子ちゃん、私にそう言ってくれたよね。

だから、一緒にやろうよ!

栞子ちゃんのやりたいことを、夢を、私たちと一緒に叶えよう!

ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル ALL STARS ストーリー First Season 第17章「スクールアイドルフェスティバル!!」 第9話「叶えよう、みんなで!」 より

 歩夢栞子に対してこのような誘い方ができる背景として、スクールアイドルフェスティバルの開催を前にして“あなた”とすれ違ってしまった歩夢に、栞子が寄り添ってあげたことが起因しています。

 歩夢は適性主義によって不興を買っていた栞子の良さを「迷子になったら一緒に目的地を探してくれる」と再定義しており、メンバーの中でも栞子の個性を一番早く見つけていました。そういう意味でも、栞子が「まっすぐ系」になるための重要なファクター歩夢だったと考えられるでしょうか。

 

 こうしてスクールアイドルフェスティバルの最後の最後でステージ上がることになった栞子は、もともとのセンターである歩夢の隣に立ち、ダブルセンターとしてTOKIMEKI Runnersを披露します。

f:id:nsopsi29:20221005192426j:image

 ちょっと話が脱線するんですが、10人以上で披露されるTOKIMEKI Runnersにおいて、歩夢栞子が手を取り合って一緒に歌う箇所があります。

だからまっすぐに進んでみよう

 これです。説明不要!w

 個人的にラブライブ!シリーズの中でも一番好きなパート分けで、ここまで彼女たちのパーソナリティを的確に表現した歌詞もないと思います。

 

 栞子は部活動紹介のステージに向けて練習を重ねる歩夢を応援しつつも、「彼女が一番スクールアイドルに向いていない」とも感じていました。ましてや大会に出場して成果を残すわけでもない「同好会」という場所で頑張る歩夢を見て、すごく不思議に感じたことでしょう。

f:id:nsopsi29:20221005212145p:image

 しかし、歩夢と交流を重ねるにつれて徐々に考え方が変わっていきます。歩夢栞子はどちらも相手のことを真摯に考えて寄り添えるパーソナリティを持っているように考えられるので、歩夢栞子の加入するきっかけとなったエピソードと併せて、「だからまっすぐに進んでみよう」というパートを当てられたのは、すごく的を射た表現だなあって感じます。

 

 というか、栞子を「蝶」属性のスクールアイドルと表現するなら、たぶん歩夢「花」属性のスクールアイドルになるでしょう。「蝶」が「花」に誘われるのは当然なので、ある意味歩夢をきっかけに栞子が加入したのは必然だったのかも……しれません。

 

 

 

⑥おわりに

 最後までお付き合いくださり、ありがとうございました!

 

 本記事では栞子の加入を中心に話を進めてきましたが、『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 4th Live! 〜Love the Life We Live〜』では、ナンバリングライブとして初めてステージに立つミア嵐珠を迎える立場にもなりました。両者に比べてひと足早くスクールアイドル活動を始めた栞子ですが、初期メンバーと比べるとまだまだ経験していないこともたくさんあると思います。

 また、無敵級*ビリーバーのような、何かを勝ち取る系の投票企画もR3BIRTHメンバーは経験していません。今後再びそんな機会に恵まれることがあれば、栞子はかなり頭角を表してくるかなと思っています。

 まあもちろん推しに投票します。

 

 あとは栞子の関係値が高いメンバーとして、歩夢せつ菜以外にも、嵐珠が挙げられると思うんですが、栞子とは幼馴染という関係にもかかわらず、エピソードがあまり多くない印象を持っています。そういったところも、今後の楽しみというわけです。

 

 なんだかんだ言ってきましたが、栞子の一番好きなところは普通に顔です。

 

 なお、彼氏はいないと思われます。

シンボルから探すココロ

 こんにちは。のっぴです。 

 

 まだまだ先のことに感じていた『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 5th Live! 虹が咲く場所』も、ついに開催まで秒読みの段階になってしまいました……! めっちゃ楽しみです。

 

 ライブ前にもっと盛り上がりたいという気持ちから、5thライブ直前 連続分割記事企画『#君の目が探す虹を』の3日目を担当いたします。本企画記事について、昨日はSUNさんが記事を上げられました。ぜひご覧ください!

 

 私は「象徴表現」というテーマでお送りします。

 

 よろしければ最後までお付き合いください。

 

 

①はじめに

 TVアニメ『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』では、物語を彩る要素として様々なアイテムが登場しました。

f:id:nsopsi29:20220904174541j:image

 ぱっと思いつくだけでも、歩夢と侑のパスケースだったり、かすみヘアクリップだったり、例を一つ一つ挙げたらきりがありません。こういったアイテムに何かしらの意味を込めた表現は「象徴」もしくは「象徴表現」と呼ばれます。

 例えば、左手の薬指に指輪がはめられていると、暗に結婚しているという表現になります。そのような表現は直接言われているわけではないので、あくまで想像の域から出ることはありません。しかし、これらのアイテムから、メンバーの心情を推測することができます。私なりの楽しみ方として、TVアニメにおける象徴表現を考えてみたいと思います。

 

 

 

②アイテムを巡る思いの交錯

 TVアニメでどういったアイテムが登場していたかを振り返ってみます。私だけで全部思い出すには少し限界があったので、本企画に参加いただいた友人たちに伺ってみました。

 

のっぴ まず、TVアニメにおける記号的な表現で、何か気になるものってありますか?

SUN 自分が今ぱっと思いついたものだと、「太陽」とかもそうなのかな。第4話で愛が太陽をつかむ描写があったりしたよね。あとはせつ菜推し的な視点で言うと、第3話の最後でせつ菜に「光が差す」ところとかかな。

ぎぬま それでいうと、全体的に描写が多いなって思うのはやっぱり「月」だね。満月のシーンもけっこうあったよね。

黒鷺 アイテムでいうと、あとは「パスケース」とか、「パンダのストラップ」とか? 2期で考えると、「写真」もけっこうそういう部類に入ってくる気がする。

ぎぬま 「写真」って2期がメインのアイテムな気がする。

黒鷺 というか、2期の最後でも歩夢から送られてくる写真で終わるしね。「写真」っていうもの自体が、瞬間を一部分だけ切り取って永遠に残しておけるアイテムなわけだけど、ちょっと別な言い方をすれば、ある意味誰かにとって呪いになってしまうアイテムでもあると思う。

ぎぬま 「写真」というものは、時間が経ってから再び残すことで、成長を表していたりすることもあるかも。

しろやぎ そういえば、MVってカウントされない感じですか? R3BIRTHのMVだと共通して「鳥かご」とかがありますよね。

のっぴ 確かに! 「鍵」も一緒に登場していましたね。

ぎぬま 2期 第13話だと「花」もそうだよね。花言葉とかあるし、しっかり意味は込められていそう。

黒鷺 そもそも、歩夢はAwakening Promiseでローダンセの花付けているもんね。

SUN ちょっと話変わるかもなんだけど、「高低差」っていうのはどうかな? 嵐珠がいたヒルトン東京お台場とか……。

のっぴ アイテムではないけど、記号的っていうか、何かしらを表していそうだよね。

 

 このように、作中ではたくさんの象徴表現が登場しています。こういったアイテムは小物だけに留まらず、看板現象に至るまでたくさんの意味が込められているように感じられました。その中でも、特にアイテムが話の鍵になっていたと思われる回があります。

f:id:nsopsi29:20220905201105j:image

 2期 第4話です。

 この回で何度か登場するパンダのストラップは、美里の退院祝いに果林と3人で遊んでいる際にゲームセンターで取っていたものでした。2期 第4話において、話の至るところでパンダのストラップが映されていたのが印象的です。このアイテムがどんな役割を果たしていたかについて、作中では一切触れられていません。しかし、意味深なカットが何度か挟まれている以上、どんな意味が持たされていたのか考えてみる価値はありそうです。

 

f:id:nsopsi29:20220905203504j:image

愛! 話してどうするの?

どうって……悩みを聞いたり、励ましたり、気晴らしに遊んだり……。

それを美里さんは、望んでいるのかしら。

どういうこと?

今は……そっとしておいたほうがいいと思うわ。

TVアニメ『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』2期 第4話「アイ Love Triangle」 より

 美里に悩みを聞きに行こうとするに、疑問を呈す果林が会話をするシーンにおいて、がバッグに付けているアイテムのカットが入ります。この時のパンダのストラップは果林に対して後ろを向いており、美里の悩みを聞こうとする自身の姿勢に、本心では多少なりとも葛藤している様子が感じられます。

 結果の是非はともかく、それでも「嫌だよ、そんなの!」と美里のために行動を起こせる彼女が好き。

 

 パンダのストラップは、先ほどのシーン以外でも使われていました。このアイテムは特に美里の気持ちの変化を表現しているように感じられるんです。

f:id:nsopsi29:20220905234119p:image

 美里がに自身の苦悩を打ち明け、それが解決されないまま迎えたDiverDivaとしてのライブ当日。この時に映されるカットでは、パンダのストラップは後ろ向きに描かれています。美里はライブ会場付近までは来たものの、にあんなことを言ってしまった後ろめたさからか、会場内には足を踏み入れようとしません。しかし、せめて配信は見ようと座った際に映されるカットでは、美里に対して真正面を向いていることが分かります。

 パンダのストラップがゲームセンターで遊んだ時に取ったものという点を鑑みると、このアイテムは特に美里にとって「『楽しい』という思い出」の象徴になっているのかもしれません。「『楽しい』って気持ちも、分かんなくなっちゃった」と言っていた美里ですが、常にパンダのストラップを身に付けている辺り、本心では美里にとって「楽しい」は一番大切にしたかった気持ちとも考えられるでしょう。

 そういった「『楽しい』という思い出」の象徴と考えられるパンダのストラップに、愛のMCを聴いて涙をこぼす美里の気持ちを考えると、交錯する思いのやり取りに美しさすら感じさせられます。

 

 

 

③満月を介した感情のやり取り

 個人的にすごく好きなシーンとして、満月を眺める歩夢のやり取りがあります。

 「月」は古来より、「花鳥風月」と称されるように「風流」の象徴とされています。また、併せて夏目漱石が訳した月がきれいですね(I love you)」も有名です。そういった点を踏まえると、TVアニメでは共通して第10話で歩夢が月を眺めるシーンがあり、満月を介した心情が見えてくる気がします。

f:id:nsopsi29:20220906144545j:image

侑ちゃんがあの時、私のスクールアイドルの夢を「一緒に見る」って言ってくれたの、すごく嬉しかったなあ。

スクールアイドルの夢……。そっか、あの時歩夢が勇気を出してくれたおかげなんだ。歩夢の夢を一緒に追いかけて、今の私がいる。

うん。

そして、みんなとも!

えっ?

TVアニメ『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』 第10話「夏、はじまる。」 より

 満月自体のモチーフを考えるのも面白そうなんですが、ここでは満月を介した感情のやり取りに限定してみます。

 第11話の押し倒しでも描かれるように、この時点では歩夢にとっての夢にとっての夢は乖離していました。すると、同じ満月を眺めていても見ている夢は違うという、歩夢の間に気持ちのずれが生じているわけです。だから、一緒に満月を眺めていても「月がきれいですね」と言うことができないんだと思います。

 そもそも、「月がきれいですね」を「I love you」と訳されるのは、「月がきれい」という感覚を、眺めている人同士で共有していることが前提になります。月がきれい」という気持ちが同じ=思いは通じているという、かなり遠回しの奥ゆかしさを感じる転じ方です。

f:id:nsopsi29:20220906144633j:image

きれいだね、月。

うん。

TVアニメ『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』2期 第10話「かすみん☆ワンダーツアー」 より

 対して、2期 第10話では歩夢が「月がきれいですね」と言っています。同じ気持ち……!

 歩夢はこの後において、留学とコンクールの件でもう一度悩むことにはなるんですが、彼方に「要するに、2人とも同じ理由で足踏みしちゃってるってことだよね」と言われていた通り、すでに気持ちは同じであることが示唆されています。

 歩夢によるAwakening Promise以降、「夢は違くても思いは一緒」という気持ちを、お互い共通して持っているものだと考えられ、すでに心が通じ合っている彼女たちは、思いを確かめるための言葉は必要なく、この会話だけで充分伝わるんでしょう。同話数の対比という点を考えても、歩夢の成長を感じられるワンカットであり、少ない会話ながらも彼女たちの間にはたくさんの感情が見え隠れしているように感じます。

 

 

 

④風が吹くこと

 TVアニメでは、アイテム以外にも光と影を使った表現や、天候による表現なども多く使われていました。私はこういった現象の中でも、特に風の表現が大好きで、TVアニメでも物語のターニングポイントとなると思われる箇所で風が使われていました。

 

 まず、「風」の性質を整理してみましょう。一般的に思いつく風の種類としては「追い風」「向かい風」があります。「風」は自由の象徴として使われることがありますが、自由に吹いている風は人の意志でコントロールすることはできません。

 では、自分にとって向かい風が吹いている時に、それを追い風にするためにはどうすればいいでしょうか?

 ぱっと思いつく回答としては

  • 自分が向いている方向を変える
  • 風向きが追い風になったタイミングを逃さない

などの行動が考えられるでしょうか。

 すなわち、(表現方法として)誰かに向かって「風が吹く」という現象は「マインドを変える」「チャンスをつかむ」ことの象徴としても捉えることができそうです。

 

f:id:nsopsi29:20220907013057j:image

型にはまらず、目いっぱい自分を表現すれば、びっくりするほど楽しいものが生まれるんですね。

TVアニメ『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル』2期 第5話「開幕!ドリームランド↑↑(*'▽')」 より

 2期 第5話のアドリブによる即興劇の後、しずく表現することの自由さに気づくシーンにおいて、風が吹いていることが確認できます。裏で流れているトキメキへ!の劇伴と併せて、しずくの中で型にはめて考えていた「演じる」という行為の自由さに気づけた瞬間といえます。

 しずくはもともとアドリブが苦手(あなたの理想のヒロイン)なので、その型を破るという意味で、彼女の心持ちの変化と成長が見えると思います。

 

 また、風は自ら起こすことも可能です。

f:id:nsopsi29:20220907015037j:image

 ミア嵐珠のために歌ったstars we chaseを披露する直前、嵐珠に向かって強烈な風が吹いている様子が映されています。このシーンはミアが自身の「夢をつかむ」という強い決意と、嵐珠に彼女のそういった思いを届ける表現が、思いを乗せた風となって吹いたものだと思うんです。この風は嵐珠にとっても、新たな一歩踏み出す勇気(チャンス)を象徴しているように感じられます。

 Infinity!Our wings!!で「想いを乗せた 風が吹いている」と歌われている通り、「風」には「想い」を乗せるという働きもあるようです。

 

 風が吹くこと自体は自然現象ですが、風に吹かれているというシーンから、メンバーの心情を想像することができます。TVアニメではこの他にもいくつか使われているシーンがあるので、そういったものを考えながら眺めてみるのも面白いかもしれません。

 

 

 

⑤虹

 さて、ここまでアイテムや現象に沿った象徴表現を考えてみました。TVアニメに限定するだけでも、たくさんの象徴表現を見つけることができましたが、虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会を応援するにあたって、ある意味最大の象徴たるものが存在します。それは見出しの通り、です。

 本記事で「虹」の正体について議論するつもりはありませんが、友人のトーヨーさんが虹について考えたという素敵な記事を書かれていたので、併せてぜひご覧ください。

 

 「虹」というものを考える時に大事になってくると思うのは、虹は見るだけではなく、虹は咲かせられるものだということ。

f:id:nsopsi29:20220907061351j:image

 育てた先に咲くものは? 花? 虹? それとも……。

 

 そして、目の前で控えているライブのサブタイトルも「虹が咲く場所」となっています。

 仮に虹=夢だけに定義できるのであれば、「夢が咲く場所」にしてしまえばいいと思うんですが、あくまで「虹」であるのは、虹は「夢」以外にもたくさんのものを内包しているからだと思うんです。ちょっと考えを巡らせるだけでも、「奇跡」「架け橋」「ときめき」など、色々なものが思い浮かびます。これに関しては、人それぞれ回答が違うものだと思いますし、何より大切なのは、主観(自分がどう思うか)になってくるでしょう。

 

 とはいえ、現状私も「虹」というものに対してはっきりとした答えは持ち合わせていませんし、同時に、これは自分で探さなければいけないものだとも思っています。

教えてよ 楽しそうだよ

知りたくなるね 君の目が探す虹を

 もしかしたら「虹が咲く場所」で、自分にとっての「虹」を見つけられるかもしれません。TVアニメで「次は“あなた”の番!」と言われた以上、この先「虹ヶ咲」の物語を続けていくのは、私たちに委ねられています。そういった意味でも、たくさんの素敵なものをライブで受け取れたらなと思っています。

 

 

 

⑥おわりに

 最後までお付き合いくださり、ありがとうございました!

 

 というわけで、象徴表現というものから、私なりにTVアニメを振り返ってみました。

 明日はぎぬまさんが「劇伴」をテーマにした記事を更新される予定です。どうぞお楽しみに!

 

 あっという間に過ぎ去ったTVアニメ2期の放送期間中に新しくつながった方々も多くて、そういった人たちとライブという特別な時間を共有できることは本当に幸せに感じています。

 本記事の内容に結びつけるわけではありませんが、とある誰かと出会ったSNSとか、とある誰かと出会った聖地とか、そういった場所がある意味特別な象徴(思い出)になっている人も多いと思うんです。

 恐らく披露されるであろう、出会いを奇跡と歌う曲とか、出会いと夢が輝くと歌う曲とか、そういったものに思いを巡らせて。

 

 それぞれがそれぞれに臨むライブを、ときめきを抱えて楽しんでいきましょう。

 全力で!

ワタリドリが選ぶミライ

 こんにちは。のっぴです。

 

 TVアニメ『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』2期が最終回を迎え、いつの間にか今年も後半戦に突入していました。毎週が本当に楽しすぎた時間で、未だに終わってしまった寂しさと感謝の気持ちでいっぱいです。

 そんな余韻が続く日々を過ごしている中で、どんどん大切になっていった曲があります。それが本記事のテーマ、Infinity!Our wings!!です。

 

 よろしければ最後までお付き合いください。

 

 

①はじめに

 Infinity!Our wings!!は、TVアニメ『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』2期 第6話に挿入歌として使われました。作中では第2回スクールアイドルフェスティバル前夜祭で披露されたことが記憶に新しいです。もふもふ衣装かわいい。

f:id:nsopsi29:20220723225359j:image

 かわいい衣装をまとった底抜けに明るい、いかにもA・ZU・NAらしい曲である一方で、その歌詞は比較的難しく感じられます。散りばめられたフレーズを拾っても、「星」「空」「風」といった文学的表現から、「ときめく」「輝き」といった抽象的表現までたくさん使われています。今でこそ、私の中ですごく大切な曲になりましたが、最初は好きだけどあまりぴんときていないというのが正直なところでした。私を含め、似たような感覚を抱いた方もいらっしゃると思うんです。

 とはいえ、好きになったからにはもっと知りたくなるというもの。ご縁あって『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 5th Live! 虹が咲く場所』に参加させていただけることになったので、この大切な曲をライブで受け取る前に、少しだけ考えてみたいと思います。

 歌詞カードが手元にある方は、ぜひご覧になりながら読んでいただけると幸いです。

 

 

 

②ワタリドリの葛藤

 Infinity!Our wings!!を他の曲と比べた時に、他ではあまり見られないような言葉が多用されています。特に「ワタリドリ」を主人公に添えた情景描写が印象的です。この曲をより深く知るためには、ワタリドリの表現について分かっておく必要があると思います。

 一般的に「渡り鳥」といえば、「政界の渡り鳥」などと揶揄されるように、もしかするとあまり良いイメージを持っている人は少ないかもしれません。渡り鳥は季節に応じて長距離移動する鳥の総称で、毎年その時期が来ると避暑・越冬のために北へ南へと飛び立ちます。また、渡り鳥は目的地を見失わないことでも有名です。海を越えて長い旅をするのにもかかわらず、毎年のように同じ場所へと飛来します。

 ここで、私は「毎年同じ場所に来るのに迷わないのかな?」という疑問が浮かんできました。渡り鳥の方向感覚については様々な研究が進められているようですが、一説には星を目印に飛んでいるといったものもあるようです。

I believed it ただただまっすぐに

「行き先はひとつだけ」

夜駆けるワタリドリ

  Infinity!Our wings!!の歌詞を拾ってみると、渡り鳥が夜空の中で目的地に向かって飛んでいる情景をイメージすることができます。そのため、この曲における「ワタリドリ」も、星を目印に自分の行き先に向かって飛び続ける様子をモチーフにした表現と推測されます。

 実際の渡り鳥の方向感覚としては地磁気説が有力なようですが、今回はあくまで文学的な比喩表現の一例として考えています。どちらにしても、渡り鳥が目的地に向かうために夜空を飛んでいる情景は崩れないはずです。

 

 さて、ここまで「ワタリドリ」の象徴表現について考えてきました。先ほど引用した歌詞に目を向けてみると、「I believed it」は過去形になっていることが分かります。これを言い換えるなら、「目的地がただ一つだけだと信じていた」と読み取れるでしょうか。逆説的に考えると、「今は行き先の選択肢がたくさんある」ともいえるでしょう。この箇所がせつ菜パートであることを汲むと、生徒会長とスクールアイドル活動の両方を選んだ、大好きの選択の話が思い浮かびます。Infinity!Our wings!!では、歌詞内における時制の違いがかなり意識されていそうです。

 また、歌詞全体を眺めてみると、時制の違いは前後半で悩むパート(自己葛藤)気づくパート(自己覚知)に分けて考えることができます。

f:id:nsopsi29:20220726232134p:image

 前半の悩むパートでは過去の表現が多く使われており、本当はたくさんある行き先(=未来)の可能性を自ら限定していた様子が示唆されています。しかし、「この景色を知る」ことをきっかけに、ワタリドリは行き先はただ一つだけじゃないということに気づきました。だから、後半の気づくパートでは、前半と比べて未来の表現へと変わっていることが分かります。

 このように、無限に広がる行き先の可能性に気づいたことで、ワタリドリの目的地は変化していくといった構成になっていると思われます。次に、Infinity!Our wings!!で目的地として描かれる、「ときめく空へ」について見ていきましょう!

 

 

 

③素敵なものが待っている予感

 そもそも「ときめく」って何?

 TVアニメ『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』では、終始「ときめく」の連用形であるときめき」というものを中心に物語が進んでいきました。この物語において中核を担っている存在と言っても過言ではないでしょう。では、そもそも「ときめく」とは、どのような感覚だと思われますか?

 少し意地悪な質問だったかもしれません。

 実際この問いに答えるのはすごく難しいと思うんです。なぜなら、「ときめく」という感覚は、自分だけにしか感じられない、かなり主観的な感覚だから。

 ただ、私の中ではぼんやりとした仮説があって、「ときめく」という感覚は素敵の予感んじゃないかなと思っています。

 これだけだと根拠に乏しいので、TVアニメで描かれた、の「ときめく」から考えてみます。

 

f:id:nsopsi29:20220728004403j:image

もう、完全にときめいちゃった!

TVアニメ『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』 第1話「はじまりのトキメキ」 より

 少しストーリーを遡ってみましょう。歩夢に伝えたときめいた宣言は、たまたま通りかかった際に見た、せつ菜のパフォーマンスを受けてのものでした。せつ菜がCHASE!を力強く歌い上げるその姿に飲み込まれ、は完全に虜になってしまいます。しかし、この時点では「何に対してときめいたのか」を自身まだ分かっていません。分からないままで、その胸の高鳴りを行動に起こし、スクールアイドルを追いかけ始めます。

 そんなこんなで、みんなを応援する立場として虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会での活動を始めていきました。やがて月日が流れ、第2回スクールアイドルフェスティバルが開催されたその時、ついにが感じたときめきの正体を明かされることになります。

f:id:nsopsi29:20220730195504j:image

自分を目いっぱい伝えようとしている、みんなの姿にときめいていたんだ。私も、みんなに近づきたい! みんなと一緒に、今ここにいる私を伝えたい! そうなんだ。これが、私のときめき! 

TVアニメ『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』2期 第8話「虹が始まる場所」 より

 が感じたときめきの正体、それはせつ菜でもなく、スクールアイドルでもなく、自分自身を精いっぱい伝えようとする姿に対して。あの時、せつ菜のパフォーマンスに心を奪われてから、長い時間を経てやっとその正体に気づいたものでした。

 では、ときめきの正体に気づくまでを動かしていた原動力は何だったんでしょうか。

 その答えは、「ときめく」という感覚が素敵の予感だからだと思うんです。あの時に見たせつ菜のパフォーマンスで、この先の未来に素敵の予感を感じとったから、彼女の中でスクールアイドルを応援したい、ピアノを弾いてみたい、という衝動が起こります。この湧き起こった直感(ときめき)を信じることで、素敵なものが待っているかもしれない未来へ向かって、歩いていく原動力になるんだと思います。

 

 話をInfinity!Our wings!!に戻します。この曲の最後には、ワタリドリの目的地として「ときめく空へ」というものが描かれています。

ココロに聞いて ときめく空へ

Infinity!Our wings!!

 これを先ほど考えた「ときめく」の解釈に当てはめてみると、「素敵の予感がする未来へ」になるでしょうか。ワタリドリはただ一つの目的地から、無限大に広がる可能性に気づいたことで、未来に対して欲張りな選択をできるようになったわけです。「ときめく」という感覚は、自分だけにしか感じられないものだからこそ、「ココロに聞いて」というプロセスが必要になるんだと思います。

 

 Infinity!Our wings!!は、自身に湧き起こった素敵の予感を信じることで、心に正直な選択を肯定するという回答が得られる曲に感じられます。

 

 

 

④始まったのなら

 ここからはA・ZU・NAの各メンバーに焦点を当てつつ、少し違った方向からのアプローチをしてみます。Infinity!Our wings!!は、自分の心に正直な選択を肯定する曲と言いましたが、これは歌っているA・ZU・NAにとって強く関わる内容になっていると思うんです。

 

 TVアニメで最初にその選択を迫られたのは歩夢です。彼女の夢は、侑と一緒にスクールアイドルをやることでした。しかし、その道を進んでいくにつれて、侑以外にも大切にしたい人たちが生まれます。本人にとっては二者択一を迫られる頭の痛いシーンでしたが、せつ菜の言葉によって、歩夢は自身のときめきが始まった時である、「止めちゃいけない、我慢しちゃいけない」という言葉を思い出し、侑とファンのどちらも大切にするという、自分の心に正直な選択をすることができました。

 歩夢が二者択一の選択を迫られていたことは、監督の河村智之さんもインタビューで言及されています。

僕の中の歩夢のイメージは、友達の依存度がちょっと高い女の子だったのですが、そこから脱却することで彼女の成長を描きたいという思いがありました。とはいえ、侑を大切に思うことも歩夢の個性ではあるので、あまり侑と離れすぎないように気をつけていますね。

ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 TVアニメオフィシャルBOOK より

 この時、どちらを選ぶべきか迷っていた歩夢に向けて送られたせつ菜の言葉は、時間が経って彼女自身の選択を肯定してくれる言葉へと変化することになります。

 

 せつ菜にとっての二項対立を考えてみます。彼女が大切にしたいこととして「大好き」というものが挙げられますが、TVアニメ内では「期待されること」もキーワードの1つとして挙げられていました。彼女はこれら両者の要素において、葛藤が起こっていたと考えることができます。彼女は「大好き」「期待されること」というものを重要視するあまり、他人に相談することができていませんでした。

f:id:nsopsi29:20220803154325j:image

始まったのなら、貫くのみ、でしょ?

TVアニメ『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』2期 第6話「“大好き”の選択を」 より

 このシーンが一番好き。

 しかし、歩夢せつ菜に向けて送った言葉によって、その葛藤が壊されることになります。生徒会長もスクールアイドル活動も、どちらの期待にも応えて大好きを貫くことで、自分に正直になることができました。「始まったのなら、貫くのみ」という言葉は、双方にとって「心に正直な選択をする」というニュアンスが共通しているものになっています。この言葉があったからこそ、Infinity!Our wings!!という、未来の可能性を否定しない回答につながったものだと思われます。

 

 

 

⑤結末はただ一つじゃない

 歩夢せつ菜では、この先の未来に複数の選択肢があった場合に、自分のやりたいという気持ちを大切にすることで、その可能性を捨てないという要素が共通していました。Infinity!Our wings!!において、この要素と少しテイストが異なるように感じられるのがしずくです。

 

 前提として、しずくはあなたの理想のヒロインで歌われているように、アドリブが苦手という個性を持っています。一般的なアドリブの役割は、本来台本にないシーンを即興で入れることで、物語を変化させるといったものです。これを言い換えるなら、彼女は結末というただ一つの目的地が決まっている物語を変化させることが苦手だといえるでしょう。

f:id:nsopsi29:20220804173524j:image

 即興劇のシーンでは、しずくが作った物語において、(台本の内容を覚えていない)歩夢せつ菜がアドリブだけで物語を進めていきます。最初はそれを見ているだけだったしずくですが、彼女が作った台本には本来登場するはずのない、魔女というアドリブしずく自らが演じることで、彼女自身が物語の結末を変えていくというような成長が見られます。

 

幾多の旅へ続くトビラは

いつだって開いていると 気づかせてくれた

 彼女にとっての「気づかせてくれた」という要素は、この時の即興劇によるものでしょうか。ワタリドリが星を頼りに飛んでいるように、台本の役割はシナリオの導き手であって、必ずしも結末を規定させるようなものではないはず。しずくはそれに気づいたことで、彼女自身の未来にたくさんの可能性を見出せるようになります。

f:id:nsopsi29:20220804175846j:image

 しずくパートで変化する背景のお城は、まるで未来の可能性を肯定してくれている喩えかのように、扉が開いている状態で待ち受けている様子が印象的。

 

 このように、しずくは少しテイストが違いますが、それぞれの葛藤を抱えたA・ZU・NAのメンバーが「この景色を知る」「気づかせてくれた」ということをきっかけに、解決していくという展開は共通しているように感じられます。この曲で解決方法として非常に大切にされているのは、間違いなく「ココロに聞いて」というものだと思うんです。迷った時は自分に正直な選択をすることで可能性を否定しないという、虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会らしい優しさも見える曲です。

 

 

 

⑥おわりに

 最後までお付き合いくださり、ありがとうございました!

 

 大好きなInfinity!Our wings!!について、自分なりの解釈を交えながら考えてみました。

 内容を簡単にまとめると、

  • Infinity!Our wings!!は目的地がただ一つである「ワタリドリ」が曲の中心にいる
  • 曲中で悩みから気づきへと変化するような構成になっている
  • 素敵の予感を信じることで、自分の心に正直な選択を肯定してくれるという曲

 のようになるでしょうか。

 

 これは余談なんですが、過去に起こったときめき(素敵の予感)を肯定させるものとして、心に正直な選択をするという要素は絶対に必要なものだと思うんです。これは前夜祭でInfinity!Our wings!!を聴いた侑が、最終日にTOKIMEKI Runnersを制作したTVアニメの流れを考えてみても面白いかもしれません。

 

 Infinity!Our wings!!は難しい曲というのが第一印象でしたが、この曲を考えてみるとすごく素敵に感じられました。来るライブに向けて、少しでも好きになるきっかけになっていれば嬉しいです。

それは消えない熱さ

 こんにちは。のっぴです。

 

 今年に入ってからというものの、ラブライブ!の勢いはとどまる所を知りません……!

 TVアニメは2作品連続で約半年間も放送されますし、ライブに至ってはもう去年開催された公演数に匹敵しそうな勢い。もはやお祭りです。幸せ。

 

 私事なんですが、ご縁あって『ラブライブ!スーパースター!! Liella! 2nd LoveLive! 〜What a Wonderful Dream!!〜 with Yuigaoka Girls Band』に参加させていただけることになりました。そんなタイミングで、私の好きな微熱のワルツについて、少しだけ語りたいと思います。

f:id:nsopsi29:20220613213926j:image

 

 よろしければ最後までお付き合いください。

 

 

①はじめに

 まず、私はLiella!では推しです。

f:id:nsopsi29:20220613214008j:image

 推し補正なのかは分かりませんが、何度も聴いているうちに自然と好きになっていました。

 微熱のワルツは、Liella!の1stアルバム『What a Wonderful Dream!!』に、既存の曲と一緒に新しく収録されたものの1つです。そのうち、ソロ曲はどれもメンバーごとに異なったメロディを奏でていますが、の微熱のワルツは、バレエを彷彿とさせるような優雅な曲となっています。休日の朝にコーヒーを片手に聴きたい、実におしゃれな一曲です。

 

 そして、私がこの曲が好きな理由はもう1つあって、それはテーマが微熱だというところ。

 

 この「微熱」というテーマは、実はラブライブ!シリーズ内において頻回に登場していて、特に畑亜貴さんが好んで使用していることで知られています。

 本記事で扱う微熱のワルツの作詞は、宮嶋淳子さんが担当されています。ただ、このテーマにおいて畑亜貴さんの考えるものと共通項を感じたので、自分なりの解釈を踏まえながら見ていきたいと思います。

 

 

 

②そもそも微熱って?

 本題に入る前に、この曲のタイトルにもなっている「微熱」について考えてみましょう。

 まず、言葉についてなんですが、「微熱のワルツ」というタイトルだけ見ても、どんな曲なのかってあまり想像しづらいじゃないですか。でも、ちょっと振り返ってみると、lily whiteの微熱からMysteryだったり、「微熱系ユニット」と表現されたAZALEAだったり、ラブライブ!シリーズ内では意外と使われているテーマといえるものです。

 

 じゃあ結局「微熱」って一体何なんや……と。

 

 結論から言うと、「情熱」へと形態変化する前段階として提唱された概念で、対象への好意を自覚していない状態のこと。つまり、情熱になる前のくすぶっている状態のことです。

 

 これだけだと少し難しめなので、恋愛に置き換えてみましょう。

 例えば、誰か好きな人ができたとします。一目ぼれだったり、時間をかけてだんだん好きになったり、人によって様々だと思いますが、その人に何かしらのときめきを感じて、自分の胸の中だけでは処理できなくなり、だんだんと「想い」を伝えたい気持ちが大きくなっていく過程は多くの人に当てはまるでしょう。

 この状態が微熱

 心のキャパが耐えきれなくなり、思いを伝える(=告白)段階に移行した時に初めて、微熱が情熱に変わったと表現することができます。多くの場合、片思い→告白→交際という手順を踏むと思いますが、微熱は明確な好意は自覚していないけど何だか素敵だな……という感覚から始まるので、片思いよりも前の段階から始まるといえます。

 

 ラブライブ!における「微熱」を扱った作品として、畑亜貴さんはPrintempsのLove marginalを挙げています。Love marginalでは、自分の思いを伝えたいけど伝えられない、もどかしい乙女心が描かれています。「青く透明な私になりたい」という歌詞からは、友だちの恋人を好きになってしまった自分の心に濁りを感じてしまい、それを恥じているような情景が思い浮かびます。

 また、畑亜貴さんはLove marginalについて、ご自身のWebラジオで、

「いつか結ばれてみたいな」って思うんだけれども、でもそれが勝手で残酷なことだって分かってる。(中略)だけど、心の中ではほんのちょっとだけ返り血を浴びても「結ばれたい」と思ってしまう自分がいて、それを恥じてる。

畑亜貴の「弱り目に祟られろ!レディオ」 Season3 023 より

といった解説をしています。

 このLove marginalの見解から、微熱を構成する要素として「いつか結ばれてみたい」という期待、伝えたいけど伝えられない切なさ、何度も考えてしまうのに答えが出せない感覚、そして、「秘密かかえて窓にもたれた」という、4つのパーツが浮かび上がってきます。このことから、微熱の必要条件は、

  • 「素敵」と思う感覚で、「期待」に近い
  • 微熱とは、「切なさ」をはらむもの
  • 小さな胸の中で起こる、ゴールのない感覚
  • 土足で入られることで、自分の中の「素敵」が汚されることに対する恐怖がある

以上のようにまとめることができると思います。

 

 それでは、微熱マスターになったところで、いよいよ本題へと移りましょう。

 

 

 

③“キミ”がくれるもの

 微熱のワルツの歌詞中にキミが登場します。

キミのためなら強くなれる こんなに

 歌詞中に代名詞が入っていると、「キミって誰のことなんだろう……」という疑問が湧いてきます。TVアニメに関連した曲だとイメージが湧きやすかったりするんですが、ソロ曲やユニット曲だとなかなかつかみづらいものです。

 こういった不特定代名詞に対する明確な答えは、私たちはまだ知ることができません。しかし、微熱のワルツからもう少し外に視野を広げてみると、そのヒントが随所に散らばっているようにも思えてきます。

伝えたいこといつでも飲みこんで

うまく言えなかったよ

(君が変えたの)

 Dream Rainbowからも汲めるかもしれません。

 

 ただ、微熱のワルツにおいて、キミ=○○と明確に定義することは難しいでしょう。それはかのんかもしれませんし、にとってのスクールアイドルといったような概念かもしれません。

 かのんで考えてみると、母親を亡くしているという背景を抱え、強硬な意志で精神を保ちつつも一人ぼっちで、今にも壊れてしまいそうな恋を、「『キミにはもう涙は似合わないよ』と救ってくれた彼女に対して、ふつふつと沸き上がってくる感情」と捉えることもできそうです。やばい……。

 

 青山なぎささんは以前、微熱のワルツのキミに対する解釈として、のことを思い浮かべながら歌ったと仰っていました。

私は、恋ちゃんのことを思い浮かべながら歌っていました。歌詞と同じように、恋ちゃんもなかなか全面的に心をこちらに向けてくれるような子ではなかったので「恋ちゃんに振り向いてほしいな」と思いを込めました。

Liella! 1stアルバム『What a Wonderful Dream!!』フォト&インタビュー④ 葉月 恋役・青山なぎさ より

 先ほどの微熱を構成する要素に当てはめると、こちらの解釈も素敵だなって思います。

 身も蓋もないことを言いますが、そもそも、私たちの現実世界にもといLiella!は存在していません(キャストは別)。二次元と三次元の間に壁があるせいで、青山なぎささんはに「振り向いてほしいな」という思いを実質的に届けることができません。このことから自分の中だけで完結してしまう感情と捉えることができます。青山なぎささんの考えるキミは、に対しての微熱といえるでしょう。

 これは逆もまた然りで。

 先ほど、思いを届けることができないことを「微熱」と表現しましたが、これはから見た青山なぎささん(さっきの逆)、ひいては彼女を見守ってくれている人(母親、そして私たち)に向けたメッセージとも捉えることができます。

 不特定代名詞における解釈の幅と都合の良さは非常においしいポイントで、そこは人それぞれ自由に考えてもいいのかなあ、なんて思っています。

 

 

 

④期待と儚さ

 届きそうで届かない、は素敵?

指先ふと触れても

すぐに離れてしまう

届きそうで届かない

もどかしい距離

 「指先ふと触れても すぐに離れてしまう」という状況を想像してみましょう。一生懸命手を伸ばして、いざ届きそうなところまでいっても、なかなかつかませてくれないというもどかしさ。

 「届きそう」という言葉は「届かせたい」という気持ちがあるからこそ出てくるわけで、最終的に「届かない」ままだと、自分の中でもやもやとした感情が残ってしまうはず。だったら、「素敵」という感情からは程遠くて、届きそうで届かないという状態は、本来息苦しさすら感じてしまうものだと思います。

 でも、歌詞全体を眺めてみると、このもどかしい状態に対して、必ずしも否定的な感情だけじゃないことも分かってきます。

キミがくれる微熱に抱かれながら踊り続ける

もっと熱くなってゆくのでしょう この気持ち

 サビの「もっと熱くなってゆくのでしょう」という予感からは、甘んじて受け入れる諦観なんかじゃなくて、胸の中で大きくなっていく気持ちへの期待と、一度膨らませると戻ることができない儚さをも感じさせます。

 そもそも。

 なんでキミがくれた微熱が自分の中で大きくなるのかっていう話なんですが、キミから受け取った微熱は可燃性ガスのようなもので、そこに何かしらのきっかけ(=ときめき)があって初めて自分事になると思うんです。言い換えれば、私たちラブライバーが公式からの供給を受け取って、好きの気持ちが増幅していく過程だって同じようなもの。この感情は刹那的なもので、冷めることはあっても熱していく過程には戻れない不可逆性を含んでいて、だからこそ儚さを感じるんだと思います。

 

 微熱は自分の中で完結してしまう儚い感情ですが、堂々巡りしているうちに、いつの間にか、自分でもびっくりするくらいに気持ちが大きくなっていたりして、自己完結させるにはだんだんとつらくなっていくものだと思うんです。

綺羅星の雫を

てのひらに集めて

願うのはひとつだけ

わたしに微笑みかけて

 だから「綺羅星の雫」というのは、胸の中で積もりに積もった思いの欠片だったり、キミを思ってこぼした涙だったりするのかも。

f:id:nsopsi29:20220613214027j:image

 余談ですが、TVアニメにてLiella!というグループ名を決める際、が候補として挙げていたリスト(本人は隠していましたが……)に「綺羅星」の文字があり、彼女のお気に入りフレーズであることも推察できるかもです。

 そして、が抱える微熱には、母親が残した学校と、かつて同じ場所で活動していたスクールアイドルに対しての思いがあります。2つの要素がクロスオーバーして結ばれているLiella!に、並々ならぬ思いを抱いているのは明白です。「綺羅星」は、2つの思いを乗せて夜空でひときわ輝くスーパースターのようなスクールアイドルになりたいというの願いとも受け取れます。

 これは完全に妄想なんですが、恋の母親、花が所属していたスクールアイドルグループの名前が「綺羅星」だったんじゃないかな……なんて思っています。

 

 いよいよ胸の苦しさが限界になって、キミに打ち明けたい気持ちが強くなってくると、微熱の儚さは薄れ、期待だけが大きくなっていきます。そうなるともはや微熱とは呼べず、熱く燃える情熱へと変化していきます。

夜明けのバルコニー

染めてゆく情熱

ねえこのまますべていま

捧げるから受け取って

 バルコニーは自宅と外界の境界で、隠している思いを吐き出してしまいたい気持ちの喩えでしょうか。小さな胸を圧迫する、今にも溢れてしまいそうな熱を、夜明けとともに白日のもとへさらけ出してしまいたい。胸の容量オーバーで苦しいんだから、楽になりたいのは当然っちゃ当然です。

 でも、一度気持ちを打ち明けてしまうと二度と方向転換はできない一方通行。だから「届きそうで届かない」のは、の「届かせたいけど届かせたくない」という葛藤の裏返しなのかもしれません。

 

 微熱のワルツは、秘めた気持ちが増幅して情熱へと変化していく過程を歌った曲なのかなって思います。

 

 

 

⑤相性が良い 恋×微熱

 ここからはの人物像に焦点を当てて、微熱のワルツを掘り下げてみようと思います。

f:id:nsopsi29:20220613214042j:image

 がまとうテーマは他のメンバーと比べて難しくて、それは背負っているものの大きさだったりすると思うんですが、それを家族を含めた親しい人に打ち明けることができず、ずっと一人で抱え込んでいたことに起因すると思います。それゆえに彼女は、かのんすみれと比べて共感することが難しめ。

 友人の生春さんが以前書かれた記事から引用させていただくと、

かのんが歌と向き合うことがテーマであるように、恋の場合は周りに心を開けるかってのもキーポイントのひとつ。

トリスのメモ帳(80) 『主人公・過去・未来・結』 葉月恋の魅力を語る より

と書かれていました。自分の思いを伝えようとしても静止されてしまったり、そもそも伝えられる相手が少なかったりする環境なので、基本的に本心をさらけ出さないというスタンスに思えます。

f:id:nsopsi29:20220613214053j:image

 かのんたちにスクールアイドル活動をさせまいとする恋が理事長に諭されたシーンですが、自分の思いを訴えようとして飲み込んだことも印象的でした。

 

 の母親はTVアニメ作中時点ですでに他界していますし、父親も海外にいるという状況下。本来なら一番心を許せるはずの家族が記憶の中の存在である彼女は、新しく出会った人たちに「心を開くこと」がテーマと考えることができます。そういった様々な思いをたった一人抱え込みがちな彼女に、今回「微熱」というテーマをぶつけたのが、めちゃくちゃ面白いなって思ったんです。相性抜群。

 そんな相性の良い恋×微熱ですが、彼女の本心をさらけ出さないというスタンスは、別に自分のそのスタンスを嫌っているわけじゃないと思うんです。むしろ心地良さすら感じていると思います。心を硬く閉ざしていたのはもちろん現在の環境要因によるところが大きいんですが、元来の個性にも由来している気がします。

いくつも眠れぬ夜

こえてやっと気付くの

いつの間にか夢中に

なっているみたい

 それは微熱の状態でこそ自分の中で大切にしたい気持ちを涵養できるって分かっているから。

 母親に憧れてスクールアイドルになりたいと思っていた気持ち、チビと子どもの頃から愛情を注いで(注がれて)育ってきた時間、「結」を冠した学校、そしてスクールアイドルLiella!への思い。そのすべてが彼女の中で大切にしたい気持ちとして、胸の中で大事に温めてきたと思うんです。

 そう考えると、愛おしく見えてきませんか?

 恋推し、増えてほしい……。

 

 しかし、そんなもずっとずっと微熱なわけじゃなくて、1年もの間に大きく成長してみせます。

 文化祭でのステージをきっかけにLiella!としてスクールアイドル活動を始めた彼女は、徐々にかのんたちへと心を開いていきます。

f:id:nsopsi29:20220613214110j:image

こんなに心がわくわくする毎日になるなんて、思ってもみなかった。

私も!

私もですよ。

TVアニメ『ラブライブ!スーパースター!!』 第12話「Song for All」 より

 東京大会に向けて練習するシーンでは、同意という形ではありますが、かのんに対して自分の気持ちを素直に伝えることができるようになっています。泣き。

 おっちょこちょいな部分があり、ポンコツ生徒会長と評されることもある彼女ですが、やっと等身大のが出てきたともいえます。自分の中で完結させてしまう微熱から、自分の思いを明かして熱く燃やす情熱へと変化していく過程は、曲の最後にも表れているように思います。

もっと熱くなって高鳴るの いつの日にか

願いはきっと叶う 信じてる

 

 TVアニメの2期が始まると同時に、Liella!のメンバーは2年生に進級します。新しい季節を迎えるにあたって後輩もでき、さらに成長した彼女の中に燃える「キミ」への微熱は、どんどん情熱へと変化していくんでしょうか?

 

 これからも楽しみですね!

 

 

 

⑥おわりに

 最後までお付き合いくださり、ありがとうございました!

 

 というわけで、ちょこっとだけ微熱のワルツをのぞいてみました。

 内容を簡単にまとめると、

  • なかなか自分の気持ちを出さないと微熱は、そもそも親和性が高い
  • 彼女の心は「期待」「儚さ」を含みつつも、夢中になれるものを養う場所になっていて、心地良さも感じている
  • 微熱のワルツは、そんな彼女の微熱が情熱へと変化する過程を歌った曲

のようになるでしょうか。

 微熱が情熱へと変化するとは言いましたが、彼女の「微熱」は夢中になれるものを温める場所として、これからも大切に残り続けると思います。私としては、それも今後注目していきたいポイントです。

 歌詞に関しては人それぞれ回答が異なるものだと思います。たぶんそれに正解はないでしょう。それに今後のの活躍で解釈がアップデートされることがあるかもしれません。それでも、少しでも微熱のワルツの魅力をお伝えすることができていれば嬉しいです。

 

 それでは、この辺で!

 

 

 

 本記事で使用させていただいた微熱の必要条件は、クチコさんにご提供いただきました。この場をお借りして、感謝申し上げます。

3つのコラボ、2つのステージ

 こんにちは。のっぴです。

 

 昨日はAqoursで……今日は虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会で……明日はLiella!で……みたいな生活を繰り返していたら、お財布に閑古鳥が鳴いていて、本当に泣いています。まあ「今以上に幸せ」な日々もないと思うんですが……欲は底が見えず尽きないもの。

 

 内容を簡潔に言うと、お台場で色々コラボしたじゃないですか。あれの感想です。感想というか、たぶん感情なんですが……。

 

 よろしければ最後までお付き合いください。

 

 

①はじめに

 何かとコラボする目的って何だろうと考えた時に、やっぱり話題性だったり、カスタマーの新規獲得だったりすると思います。ベン図における交面のように、お互いの利害が一致して初めてコラボが行われると思うんです、一般的に。

 でも、実際にコラボが行われた東京お台場 大江戸温泉物語(2021年9月5日閉館)やヴィーナスフォート(2022年3月27日閉館予定)は、すでに閉館が決まっている施設です。あと何回行けるか分からないような。だから今回のコラボはもっと別な所にも意味を見出せるように思うんです。

 

 

 

②境界に咲かせる虹

 今回のコラボの目玉は、何といっても東京ジョイポリススペシャルショー」ヴィーナスフォート「教会広場ステージ演出」でした。めっちゃ楽しかったです。残念ながら、どちらもコラボは終わってしまいましたが、共通して面白く感じられたのは、やっぱり作中で実際にライブを披露している、いわゆる聖地だったことです。

f:id:nsopsi29:20211122222425j:image

f:id:nsopsi29:20211122222726j:image

 璃奈のステージ(東京ジョイポリス)と、

f:id:nsopsi29:20211123134513j:image

f:id:nsopsi29:20211123134529j:image

彼方のステージ(ヴィーナスフォート)。

 

 聖地巡礼の意義――とりわけラブライブ!シリーズのような作品の聖地巡礼は、現実と非現実の境がぼやけることに魅力を感じます。自分が作品世界に飛び込んだかと思えば、メンバーが現実世界にいるような錯覚を起こしたり……。そんな狭間にいるような次元の境界が溶ける感覚が、本当に楽しくて。だからこそわざわざ足を運ぶんだと思いますし、メンバーが作中で実際に立ったステージを前に披露される演出は、本当に特別に感じられます。

 

 実際に行ってみた感想として、イベントで感じた魅力がもう一つあって、それは会場のステージに境界がなかったことです。

 そもそも現実世界で行われるラブライブ!シリーズのライブって、閉鎖的な空間で行われるじゃないですか。帳(呪術廻戦)の内側みたいな? 外と隔絶した空間を作ることで、ラブライブ!の世界に浸れるような非日常を作り上げていると思っています。

 対して、今回のコラボステージは、どちらも一般公共施設です。教会広場はイベントの実績がありますが、ライブ会場とは似て非なるもので、どう頑張っても施設の延長線上。そんな明確に外と区切られていない空間にもかかわらず、参加した私が一番最初に感じたことは、ライブと遜色ないほどの圧倒的な没入感でした。

 作中で行われた璃奈彼方のライブも、現実世界をトレースして考えてみると、わざわざ会場を貸し切って行ったとは考えづらいでしょう。スクールアイドルだし。

 つまり、ステージを見ている私たちは、作中とほとんど同じ状況で、同じ場所から、同じステージを見ていることになります。

 あとは、シンクロ率が高いままステージを見れたことで、自分が“あなた”であることを再認識できたのもすごく良かったなと思います。こういった随所からの細かいシンクロが、聖地である特別なステージに幾多もの倍率をかけているように感じられて、本当に貴重な体験だったなあ、と改めて思います。

 

 

 

③期間限定だからこそ

 先述した通り、ヴィーナスフォートは閉館が決まっていて、東京お台場 大江戸温泉物語はすでに閉館しています。当たり前ですが、閉館した施設にはもう二度と行くことができません。

 スクールアイドルという時間は有限なもので、それを応援している私たちも、有限の時間を注いでいるわけです。コラボだって、限られた時間・場所の期間限定行われるもので、ラブライブ!が好きな私たちだから、有限であるコラボに足を運ぶ価値を見出せると思うんです。

 もちろん東京ジョイポリスのように、長い期間コラボをやってくれたほうが、たくさんの人が行けるし私としてもありがたいんですが、期間限定だからこその価値を見出せたのはかなり大きかったなと思います。

 

 ちょっと余談を挟みます。

 東京お台場 大江戸温泉物語では施設の至る所に虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会コラボのパネルがあったんですが、パネルから楽しそうに遊ぶ彼女たちが垣間見えてめちゃくちゃ感動しました。まるで「閉館しちゃうから最後に思い出作りに来たよ」と言っているような……。普通に写真を撮り忘れたのでイメージ図はありません。そういったところにもコラボの楽しみ方がありましたね。

 

 

 

④ユメコーコはやめろ

 東京ジョイポリスさん、ヴィーナスフォートさん。

 普通に夢がここからはじまるよを流さないでください。

 まじで。

 

 どちらのステージも友人たちと行ったんですが、私も含めた全員が直立不動明王で目から湧き水垂れ流してて爆笑しました。あれはセトリが悪い。

f:id:nsopsi29:20211123142833j:image

 しかも歩夢の口上から流しやがりました。

 始まる瞬間に周囲から呼吸音が漏れ聞こえてきて面白かったです。聖地バフ+“あなた”バフがかかっているんだからそれはそう。

 

 

 

⑤おわりに

 最後までお付き合いくださり、ありがとうございました!

 

 全然写真撮っていなかった!!!!!!!!!!

 反省!!!!!!!!!!

 

 これからも何かしらのコラボをやってくれると思うんですが、「期間限定」の間にぜひ行ってみてください。というか一緒に行きましょう!