君とひとつになる素敵な方法

 こんにちは。のっぴです。

 

 今年に入って3週間が経ち、『ラブライブ!スーパースター!! Liella! 5th LoveLive! ~Twinkle Triangle~』もいよいよ明日にまで迫りました。現地で参加される方、配信で参加される方、各々が何かしらの気持ちを抱えて臨まれることと思います。そんなライブが始まる前に、少しだけ大好きな曲に出会えた話をさせてください。

 本記事のテーマは「シェキラ☆☆☆」

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 来るライブのテーマソングとしてリリースされた曲ですが、Liella!が一貫して大切にしている「結」というものを改めて強く意識させるような曲になっています。そして、何より私自身が強く心を動かされた曲なので、その魅力と向き合ってみようと思います。

 

 よろしければ最後までお付き合いください。

 

 

①はじめに

 Liella!もといラブライブ!スーパースター!!の特徴として、やっぱり学年が進むことは外せないと思います。リアルタイムで展開されるシリーズは蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブも挙げられますが、「時間が進む」という点においてはLiella!も同じ。それはラブライブ!全体においても「いま」という言葉で何度も何度も描かれ、シリーズ全体で抱えているテーマと言っても過言ではないでしょう。

毎日があっという間に流れるから
せめていまを大事にしたいんだ いまは戻らない

季節はいつも駆け足なんだ
気がついたら通り過ぎてるね

このままずっといれたらいいな
でも分かってる 季節は巡る

まだここにいさせてと(願えど)
秒針は変わらずに(進む)

「ずっと今が続けばいいのに」なんて
強がったキミの声が ふるえた

 有限な時間が何度も何度も描かれる背景には、やっぱり「限られた時間の中で精いっぱい輝こうとするスクールアイドル」というテーマが根底にあるからだと思います。そして、私はこのテーマが大好きです。きっとラブライブ!が好きな多くの方にとってもそうなんだと思います。だから、ラブライブ!が好きで応援している私にとって、「時間は進む」なんて当たり前のことは分かったつもりでいました。

 

 でも、すごく寂しかったんです。

 それを強く感じたのは『ラブライブ!スーパースター!! Liella! 3rd LoveLive! ~WE WILL!!~』の東京公演でのことでした。

 確か声出し解禁前の最後の公演だったと思います。そして、あのツアー自体もLiella!にとって、9人体制で巡る最後のナンバリングライブ。その時のキャストの心情は計り知れませんが、きっと様々な思いを巡らせていたんだろうと思います。

私のSymphonyで四季ちゃんと手をつないで、四季ちゃんが前に出てくるシーンがあるんですけど……。あと何回後ろから四季ちゃんと手をつなげるのかなとか、あと何回この景色を見れるかなとか色々考えてしまって。

ラブライブ!スーパースター!! Liella! 3rd LoveLive! ~WE WILL!!~』 東京公演 より

 最高学年に上がった1期生、ライブを通して成長した2期生、新たに加入した3期生。進んでいく時間に付随して、追いつけないと思わせるようなスピードで成長していくLiella!に、私はいつしか心寂しい気持ちすら抱えていました。

 もちろん普段からずっとそんなことを考えているわけではありません。しかし、心の奥底ではほんの少しだけ気持ちのずれがあったんだと思います。「ちょっと不安もあるよ」に「平気さ」と歌えるLiella!に対して、私はずっと「ちょっと不安もあるよ」で立ち止まっていたんです。

 

 

 

②ねぇ僕を信じてみてよ

 そんなこんなで胸奥にわずかな不和を感じつつも、楽しみながらここ1年ほどはLiella!を応援していました。

 そんななか、つい先日Liella!の新譜がリリースされました。

 もちろん『シェキラ☆☆☆』です。

 結論から言うと、私はシェキラ☆☆☆にすごく救われたような気持ちになりました。

 私とLiella!は結ばれていた――ということを強い実感として認識することができたからです。

 

どうなるの?半信半疑
ねぇ思いついちゃったんだ
君とひとつになる素敵な方法

 シェキラ☆☆☆の歌詞では、「君とひとつになる素敵な方法」を思いついたと歌うところから始まります。いったいどんな方法なんだろうと聴き進めていくと、なんとその方法とは一緒に踊ること。そして、その時に感じられる幸せな気持ちは永遠にそばにいるというものでした。

さぁ僕と 僕と いっしょに踊ろう
明日も明後日も夢みつづけたい!
きっとパーティーでハッピーなこの気持ちは永遠にすぐそばにいる
もう君を離さない!

 最初に聴いた時は、Liella!が歌う「君とひとつになる素敵な方法」なんて全然信じられませんでした。

 確か初めて聴いたのは『FNS歌謡祭』だったと思います。おしゃれな衣装にそろったフォーメーションダンス。すごく良い曲だとは思いましたが、最初の印象はなんというか良い曲止まりで。楽しみにこそしていましたが、特にそれ以上の衝撃はなかったんです。フルを聴くまでは。

 

ねぇ僕を 僕を 信じてみてよ

 本当に衝撃でした。

 すぐに涙があふれてきました。

 少しでも疑った私の心を見透かされたみたいで。

 心の奥底でブルージーな気持ちを抱えていたことを見透かされたみたいで。

 Liella!はもとより、この気持ちはほとんど他人にも話したことすらないのに。

 「ねぇ僕を 僕を 信じてみてよ」という言葉を聴いて、本当に嬉しかったんです。(ああ……見透かされていたんだ……)と思いました。心を見透かされているということは、Liella!が私(ひいてはファン)の気持ちを分かっているということ。言い換えれば、私たちがLiella!と結ばれている何よりの証拠になると思うんです。

 そんな時、Liella!は「信じる気持ちが揺らぐときは 想いを歌にして伝えよう」と歌っていたグループだったことを思い出したりして、まるで彼女たちは最初からこうなることを分かっていたかのようで、どこまでも幸せに感じられて。

 

 私がこのように受け取った気持ちは、別に勘違いでも良いと思っています。歌詞は表記通りの意味でしかなくて、私が勝手にそう解釈しているだけかもしれません。それでも、シェキラ☆☆☆を受け取れたことがたまらなく嬉しいんです。私がシェキラ☆☆☆を受け取ったというこの事実が、Liella!の歌がちゃんと届いていることを裏付けているからです。

 多少なりともブルージーな気持ちを抱えている時にシェキラ☆☆☆と出会えたのは、きっと運命なんでしょう。いや、運命だと信じたい。必要としている時に必要としていた曲と出会えたことが、何よりの幸せで。こんなに幸せな気持ちを抱えてライブに臨めることが本当に嬉しいんです。

 

 

 

③シェキラ☆☆☆の魔法

 さて、ここまで私の話に絡めたシェキラ☆☆☆の感想を話してきたので、ここからはTVアニメと絡めた雑感を語っていきます。

 シェキラ☆☆☆は来るライブのテーマソングとしてリリースされた曲ですが、その公演内容は今まで以上に予想が難しく感じられます。そのヒントとして出されたのが、「ラブライブ!スーパースター!! Liella! 5th LoveLive! ~Twinkle Triangle~スペシャルムービー『Road to Twinkle Triangle』」でした。

今度のライブでは久しぶりの曲を歌ったり、
11人みんなで歌ってみたり、
ユニット曲も忘れちゃいけないよね!

(中略)

Liella!の魅力をたくさん詰め込んだライブをしましょう。そこで、私たちを結んでくれた大切な歌をみんなで歌いましょう。

ラブライブ!スーパースター!! Liella! 5th LoveLive! ~Twinkle Triangle~スペシャルムービー「Road to Twinkle Triangle」 より

 ムービー内では「久しぶりの曲」について言及されるなど、TVアニメを中心にこれまでのLiella!の活動を振り返るようなライブになることが示唆されています。そのテーマソングとしてリリースされたシェキラ☆☆☆においても、歌詞の節々でこれまでの軌跡が散りばめられているように感じられますね。

12時を過ぎても醒めやしない
魔法にかけられちゃう覚悟はいいですか?

 例えば、このパートは恋ときな子に割り当てられていますが、ソロ曲のミッドナイトラプソディはもちろん、2期生が加入した後に作られた曲であるユートピアマジックやSing!Shine!Smile!などを思い起こさせるような「魔法」という言葉も使われています。

いつもの風景に魔法をかける
君の笑顔 しあわせをくれるよ

僕ら魔法にかかった
夢という名の魔法に

 「魔法」という言葉自体もライブと親和性が高くて好きですが、最高学年としてそう遠くないうちに節目を迎える恋と、3期生を迎えいよいよ先輩になったきな子が歌っているパートなのが良いですよね。

 また、シェキラ☆☆☆では、「魔法」にかけられた後をイメージするような歌詞も登場しています。

パンっと鳴るレインボークラッカー
急に色づいた世界
こんなにも一瞬なんだ 変わる時って

 このパートを担当しているのが、Liella!への加入順を後ろから数えたメンバーで、作中でもあまり時間を置かずに加入した夏美、マルガレーテ、冬毬なのがすごく好きです。すでにLiella!として魔法をかける側になった3人ですが、加入によって一気に世界が変わった経験を持つメンバーだからこそ、このパートを歌うことに強い説得力を感じさせます。

 このように、各メンバーの性格や経験に基づいたパートが割り振られているシェキラ☆☆☆ですが、全体的にはLiella!の代名詞である「結」を強く感じられる箇所が多いのも特徴。次に、「結」に焦点を当ててシェキラ☆☆☆を見ていきます。

 

 

 

④結ばれるハートビート

 私がシェキラ☆☆☆で一番好きなのが、「ハートビート結べ」という歌詞。アップテンポな曲調とともに一緒に楽しめそうな言い回しですが、「ハートビート」を言い換えた「鼓動」というフレーズは、過去の曲でも何度か登場しています。

キラキラ輝くセカイはきっと
まだ知らないはずむ鼓動
教えてくれる

きっと気づいてるよね? ほら君と僕の鼓動が
ぴったり重なり響いた!
絶対に忘れないよ いっしょに奏であうメロディ

 過去と比べて成長を感じられるのが本当に良くて。

 「ハートビート結べ」という強い言い回しをすることで、Starlight Prologueやユニゾンもここに内包して輝く歌詞。「きっと気づいてるよね?」「絶対に忘れないよ」といった言葉だけでは終わらせないというLiella!の貪欲さも垣間見えるようです。

 

 さらに、「ハートビート」というフレーズは、ライブという有限な時間の中で明確に胸の高鳴りを感じられる場所においても輝く歌詞だと思われ、Cメロにはそれを意識したような言葉も見られます。

楽しくて笑いすぎて 頬が痛くなるような
イマが続いていきますように
いつまでも いつまでも
繋いでく 君のハートも
ここから出会ってく沢山のハートも

 ソロパートのリレーを通じて様々なシーンが見え隠れするような歌詞ですが、「君のハート」はもちろんこれから出会う人たちのことにまで触れているのは見逃せません。2期でかのんが「Liella!の道が、結ヶ丘の道が、あなたと交わりますように!」と願いを込めてラブライブ!に出場していたことも思い出します。

 

 そして、極め付きはこの歌詞。

もう君を離さない!

 すみれ→可可などのメンバー同士にも当てはめて考えられそうなこの歌詞は、まさにLiella!が大切にしている「結」を強く感じさせる箇所。そして、Liella!の成長を明確に感じられるパートでもあります。

 「一緒にいてほしい」というメッセージは、色づいて透明、ユートピアマジック、TO BE CONTINUEDなどの歌詞でも見られましたが、これらの曲ではあくまで受け身でした。

いつか大きな願いが 生まれても今日みたいに
一番近くにいてよ

これからもずっと僕の傍にいてよ
約束さ!

何度も何度でも 君と一緒に駆け出すのさ
(最後まで) 僕の手を握りしめてよ

 リリース順に、「近くにいて」→「傍にいて」→「手を握りしめて」と距離が近づくように変化しているのも個人的に好きなポイントです。

 でも、そこで終わらないのがシェキラ☆☆☆。

 「もう君を離さない!」という言葉からは、どこか弱々しさも感じられた受け身のLiella!はどこにもいません。そして、ただ受け身の状態から成長したというより、これまで歌ってきた気持ちを全部ひっくるめてシェキラ☆☆☆にぶつけている感じが最高。先ほどStarlight Prologueやユニゾンも例に挙げましたが、過去の曲も全部連れてきたうえで、これまでの集大成としてシェキラ☆☆☆に集約されているように感じられるんです。

 さらに、シェキラ☆☆☆がテーマソングとなっているライブは、「久しぶりの曲」も披露される公演。2期と3期の間に位置する「いま」に、これまでの曲とこれから出会う人たち、メンバーとファン同士の道がまた強く結ばれる。11人になったLiella!が「もう君を離さない!」なんて歌ってくれる。明日から始まるライブはとんでもなく素敵な公演になると感じているのは、きっと私だけではないでしょう。

 

 

 

⑤おわりに

 最後までご覧いただきありがとうございました!

 

 実は少し前に色々あって、3期が始まる前にラブライブ!から身を引こうとも考えていました。あまりに色々あるので詳細は話せませんが、個人的にはたくさん楽しませてもらったので充分満足したと。でも、本記事の通りシェキラ☆☆☆と出会ってしまったんです。私とLiella!は結ばれていた――というおこがましくも思える実感を通して。だから、もう少し行けるところまで行ってみようと思います。結ばれていた紐をもう一度固く結び直して、シリーズ初の前人未踏の3期に臨んでいきたいと思います。

 歌詞の解釈は人それぞれ回答が異なるものと思われますが、本記事がシェキラ☆☆☆の魅力をお伝えする一助となっていれば嬉しいです。

胸に秘めた譲れない情熱

 こんにちは。のっぴです。

 

 楽しみにしていたラブライブ!スーパースター!! Liella! 4th LoveLive! Tour 〜brand new Sparkle〜』も終わり、Liella!としては一段落といった感じでしょうか。次のライブまで少し時間が空きますが、対照的にLiella!が好きな気持ちはどんどん増幅しているように感じます。幸せですね。

 本記事のテーマは「茜心」

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 茜心は、2ndアルバム『Second Sparkle』に収録されているメイのソロ曲です。ピアノをメロディラインにした全体的にかっこ良い曲ですが、その歌詞も興味深く感じられます。ライブの感想を交えながら、茜心の好きなところを語っていきたいと思います。

 

 よろしければ最後までお付き合いください。

 

 

①はじめに

 まずはライブお疲れ様でした。

 ソロ曲やユニット曲をはじめ、初披露づくしとなった今回のライブ。TVアニメを背負った内容ではないにしろ、3期生として初めて立つステージだったり、幕間で描かれたマルガレーテと冬毬のエピソードだったりと、ある意味「2.5期」と呼んでも差し支えない内容だったと感じています。2期生が先輩として3期生にスクールアイドルの魅力を伝えようとする姿からも、彼女たちが1年を通して成長した姿を感じられて良かったです。開演前は「期待しすぎかな」と思うくらい楽しみにしていましたが、Liella!は期待以上のパフォーマンスで応えてくれ、本当に楽しく大満足のライブでした。

 大好きなBlooming Dance!Dance!も無事に受け取ることができて嬉しかったです。

 特に後半に披露されたHoshizora Monologue→私のSymphonyの流れは、まるでTVアニメの物語を30分で一気に振り返ったかのような、これでもかというほどLiella!を凝縮した5曲でしたね。個人的には、先輩たちが優勝した姿と2度目の奇跡への決意を見せたのち、満を持して3期生が私のSymphonyを歌い始める物語性が大好きです。

 

 私は今回のライブでとりわけソロ曲に注目していました。1期生にとっては持ち曲から成長した姿を見せる機会ですし、2期生にとってはソロとして初めて歌うステージです。Liella!として披露する曲もとても魅力的ですが、ソロ曲はそのメンバーの個性や世界観を会場いっぱいに満たすような、他とはまた違った魅力があると思います。

 幕間でもメイが言及していましたね。

 そして、特筆すべきはメンバー間の関係が垣間見えるような演出が多かったことです。星屑クルージング→Starry Prayerや、君を想う花になる→Free Flightのような直接的な演出はもとより、ミッドナイトラプソディの冒頭で青山なぎささんと鈴原希実さんが一緒に踊っていた光景は、「ずっと遠い世界の人だと思ってたっすから」と言われていた恋ときな子の距離感が縮まったように感じられて、とても感動的な一節でした。

 そんな魅力がたくさん詰まったソロ曲ですが、推しである恋のミッドナイトラプソディとともに大好きな曲が、2期の物語を通して推しになったメイの茜心です。ライブの感想はほどほどに、メイのパーソナリティに触れつつ、茜心の魅力を探索していきたいと思います。

 

 

 

②譲れないもの・責任感

 メイの好きなところはたくさんありますが、私が特に引かれているのは胸の内に譲れないものを持っているところです。

斜に構えた、一見とっつきにくい不良っぽい女の子。そのせいか、周りから怖がられることも多いが、若菜四季とは不器用な者同士、つかず離れずの関係を続けている。正義感が強く、間違ったことがあると毅然とした態度で立ち向かう一面も。

メンバー紹介 | 「ラブライブ!スーパースター!!」公式サイト より

 メイは「正義感が強く、間違ったことがあると毅然とした態度で立ち向かう一面も。」というメンバー紹介をされています。メイの正義感を端的に表した一文だと思いますが、裏を返せばそれだけ彼女の中に譲れないものがあるといえるでしょう。

 メイの正義感は他人を思いやれる性格と相まって、作中で描かれた通り誰かの背中を押すことにもつながっています。ただ、それはあくまで他人の背中を押す場合であって、メイ自身のことになると話は変わってくるようです。そんな「他人の背中は押せるのに自分は一歩を踏み出せない」という二面性は、私がメイの性格でずっと疑問に思っていたことでもありました。

 

 しかし、その二面生がメイの良いところ。

 メイが自分事になると葛藤してしまうのは、彼女が憶病であるというより「信念にまで昇華された譲れないものがあるから」といえます。そして、恐らくメイもそのせいで不器用なことを自覚していて、彼女自身が臆病になってしまう一因になっているものと思われます。しかし、その「譲れないもの」が誰かの背中を押せる優しさでもあるし、「中途半端な気持ちでやりたくない」という厳しさにもつながっていると思うんです。

Liella!の力になれないなら、スクールアイドルやるつもりはない。少なくとも私はな。

TVアニメ『ラブライブ!スーパースター!!』2期 第6話「DEKKAIDOW!」 より

 ラブライブ!的なスタートラインとしては「やりたいからやる」で正解だと思いますが、メイの場合はもう一歩進んで「『やりたいからやる』だけで責任を持てるのか」という気持ちがあると思われます。そんなメイの好きな言葉が「一生懸命」なのも、始めたからには全力で貫こうとするような姿勢から彼女らしさを感じられて良いですよね。さらに、メイのひたむきさはSecond Sparkleにおける彼女のパートでも表れています。

新しい未来 この手で切り拓け
強がりも貫けたなら
本当に変わるから

 メイの他人に対する優しさや臆病な側面は、一度決めたら一生懸命な彼女の信念由来のものかもしれません。

 

 

 

③一生懸命になれる理由

 茜心の歌詞は、特定のメンバーに語りかけているように感じられる箇所があります。しかし、茜心はメイのソロ曲。歌詞全体を眺めてみると、メイのパーソナリティが強く表現されているフレーズも多く散見されます。他メンバーがメイに大きな影響を与えているのは事実ですが、まずは彼女本人に焦点を当てて考えてみましょう。

流されたくないよ
流されてく方が簡単さ、でも
好きなこと忘れて
新しい夢とかみれない

 茜心は、メイが流されることに葛藤する場面から始まります。「流されたくないよ」という歌詞は裏を返せば「流されそうになっている」わけで、それを振り切ろうとしている姿からメイの信念を感じられます。具体的にシーンを限定させるのは難しいですが、TVアニメでもメイがスクールアイドルを始めるにあたって葛藤している様子が描かれましたね。

私はスクールアイドルなんか興味ねえんだ。

TVアニメ『ラブライブ!スーパースター!!』2期 第2話「2年生と1年生」 より

 メイがスクールアイドルに勧誘された際はその興味を否定していましたが、彼女がスクールアイドルに興味がないわけがないのは自明です。さらに、「スクールアイドルになりたくて結ヶ丘女子高等学校に入学した」という動機は、四季の口から語られています。

メイがこの学校を選んだのは、スクールアイドルをやってみたいって思っていたから。

TVアニメ『ラブライブ!スーパースター!!』2期 第4話「科学室のふたり」 より

 もちろん本人の目つきの悪さや不器用な性格ゆえの「向いていない」という気持ちはあると思いますが、「自分が加入することで崩れてしまう恐怖」を強く感じていたと思われます。だからこそ、一生懸命になれる理由を持てないまま、スクールアイドルを始めることに積極的になれなかったんだと思うんです。「流されたくないよ」の一言にも、色々なものが詰まっているように感じられますね。

 

 しかし、メイの憧れはそんなことで消えないものでしょう。確かに一歩を踏み出すことに臆病になっていた側面はありますが、メイの憧れは彼女の「譲れないもの」として大切に温められてきたはずです。

雨に晒されても
汚れない気持ちは絶対にある
どんなに後だって
拾いあげてみれば輝く

 ただ、その憧れがだんだんと苦しくなっていった様子も見受けられます。ファン出身メイは、これまで推しを応援していく過程でたくさんのものを受け取ってきたことと想像されます。それはラブライブ!が好きな私たちにとっても共感できるはずで、「何らかの形で推しに応えたい」と思うのは実に自然な考え方でしょう。

思い出してる あの時僕に
希望をくれたともしびの星座
見上げるだけじゃ
もう何も返せない 繋ぐタマシイ

 そういう意味で、「見上げるだけじゃ もう何も返せない」という歌詞は、私たちとしてもすごく腑に落ちる印象です。そして、メイは最終的に「Liella!の力になるためにLiella!に加入する」という回答で応える選択をします。これは臆病なメイにとって「一生懸命になれる理由」にもなっており、彼女が本格的にスクールアイドル活動を始めるきっかけにもなったものだと思うんです。

 このように、茜心にはメイのパーソナリティが多く散りばめられているように感じられます。では、これらを踏まえたうえで、次はメンバーとの関係にフォーカスしてみます。

 

 

 

④他メンバーとの関係性

 薮島朱音さんは以前インタビューにて茜心の印象を語っていました。

ファンの方が曲に関して考察してくださっていて、四季ちゃんとメイちゃんはいろいろ仕掛けがあったりしたんですけど、でもメイちゃんと四季ちゃんだけじゃなくて、「この曲ってメイちゃんときな子ちゃんにも当てはまるよね」とか、そういった意見を見てわたしもなるほどと納得していました。

薮島朱音「Liella!とみなさんは“相思相愛”そのもの」/Liella!スペシャルリレーインタビュー【音楽編】7 より

 茜心をはじめ、『Second Sparkle』に収録されているソロ曲は、多方面から解釈することができる曲が多いように感じます。歌詞の解釈に絶対はないと思いますが、茜心にもいくつか特定のメンバーを示唆するような歌詞があります。

間違いじゃないなら曲げるなよ
信じたいもの信じてればいい 熱く
君の情熱茶化さない
思ったままでいいよ

 サビの歌詞は、メイの性格がとりわけ強く出ているように感じます。TVアニメでも「本気で優勝を目指そうとするLiella!」に憧れたきな子に、「だったらそのまま突き進んでくれよ」と背中を押すシーンがありますね。

 対照的に四季がメイをLiella!に引き込む目的で体験入部していた時は、機嫌を損ねて帰ってしまう様子も見られました。

ふん。嘘つくな。帰る。

TVアニメ『ラブライブ!スーパースター!!』2期 第4話「科学室のふたり」 より

 こういったところからも、(自分を含めて)適当を許したくないメイの性格が垣間見えるようです。

 

 また、当初から茜心にはガラスボールリジェクションとの「仕掛け」が示唆されていました。具体的にどこにどのようなギミックが隠されているのかは想像の余地もありますが、Cメロの歌詞は互いに呼応しているような印象を感じられます。

変われない自分を責めたりしないで
本当の願いを見せて
今なら叶うさ 独り言のように呟いた

素直に笑えない 笑わなくていい
ガラスボールの中でなら
だけどね、気づいた
君がそばにいてくれたから

 Cメロが本当に互いを意識した歌詞なのかは分かりませんが、メイや四季にとって互いが互いに影響を及ぼしていたのは事実です。「今なら叶うさ」という歌詞からは、不器用な者同士手を取り合って変わっていく(=Liella!に加入する)選択をした科学室でのエピソードが思い出されます。もちろん茜心はメイのソロ曲なので自分に言い聞かせているような聴き方もできますが、他メンバーを意識するとより解釈が広がって面白く感じられますね。

 

 

 

⑤胸の微熱を抱きしめて

 私は曲中で微妙に変化する歌詞の違いがすごく好きなんですが、茜心の変化は他の曲と比べて少し特徴的に感じられます。

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 下線で示したフレーズが変化した箇所です。誰かに語りかけているような歌詞から自分に言い聞かせるような歌詞に変化していますが、「間違いじゃないから曲げないよ」という文意としてはほとんど変わっていないようにも感じられます。また、過去形が未来形に変わっているのも特徴的です。

 本記事でも何度か話題にしましたが、メイは胸の内に譲れないものを持っています。メイの「譲れないもの」は「スクールアイドルが好きな気持ち」「適当を許したくない正義感」などに言い換えられると思いますが、これらの思いは彼女がLiella!に加入した後も持ち続けている様子が見られましたね。

 歌詞が過去形から未来形になっていることを踏まえると、メイは「これまで大切にしてきた気持ちをこれからも大切にしていくというプライドのようなものを持っていると思うんです。

 メイの「譲れないもの」は、必ずしもプラスに働いていたわけではありませんでした。他人に対して不器用なところや一歩を踏み出せない臆病さだって、「譲れないもの」と無関係ではないでしょう。しかし、その気持ちのおかげで大好きなLiella!で「一生懸命になれる理由」を見つけられた経験があるから、マイナスな側面だってメイにとって大切な思い出になっているはずです。

欠片になった遠い過去も
大切に抱きしめて

 ただ、メイは過去だけを大切にしているわけではありません。茜心にも「明日感じてく」という歌詞がありますが、過去を抱きしめつつ彼女なりに「どうしていきたいか」を意識していると思うんです。だからこそ、Liella!に加入する一歩を踏み出すことができたと思いますし、メイがラブライブ!優勝後に感じた気持ちは誌面にも書かれていました。

でも今は、弱い自分でいるヒマなんか、どこにもないんだ。
あのステージで見た光を。
熱すぎるくらいの本気を、追いかけていたいから。
そのために、今年も――

『LoveLive!Days 2023年10月号』 より

 Liella!に加入する前から胸の中で大切にされてきた熱さは、スクールアイドルとしてたくさんの経験をしていく過程でより強い情熱になっていったことでしょう。そして、メイの「譲れないもの」は、これからも彼女の中で信念として持ち続けていくものと思われます。3期では先輩として頑張る姿も期待されますが、恋のようにどこか不器用な側面も見られるかもしれません。そんなところも含めて、私は「譲れないもの」を持っているメイのことが大好きです。

 

 

 

⑥おわりに

 最後までご覧いただきありがとうございました!

 

 私はたくさん悩むメンバーが好きなので、メイのことはもともと気になっていました。茜心のリリース以降はメイについて考える時間も増え、最近ようやく当初から応援していた恋と併せて「推し」だと強く感じています。

 また、メイがセンターを務める影遊びでも大人になることへの葛藤などが感じられ、先日披露されたパフォーマンスをきっかけに、より好きになったような気がしています。大好きなメイの魅力とライブの感想を合わせて本記事とさせていただきました。

 歌詞の解釈は人それぞれ回答が異なるものと思われますが、本記事が茜心の魅力をお伝えする一助となっていれば嬉しいです。

 

 最後に、本記事を作成するにあたって参考にさせていただいた記事をご紹介して終わります。

素敵へと変わるその一歩

 こんにちは。のっぴです。

 

 カレンダーもめくられ、いよいよ今月から『ラブライブ!スーパースター!! Liella! 4th LoveLive! Tour 〜brand new Sparkle〜』が開催されます。3期の放送も控え今後に期待が尽きないところですが、そんな胸躍る展開の前に私の大好きな曲について少しだけ語らせてください。

 本記事のテーマは「Blooming Dance!Dance!」

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 特典曲という性質上なかなか聴く機会は多くありませんが、TVアニメでも描かれた2期生の成長を強く感じられる曲です。そして、何より私自身がリリース当初からずっと大好きな曲なので、本記事を通してその魅力を探索していきたいと思います。

 

 よろしければ最後までお付き合いください。

 

 

①はじめに

 本題に入る前に、まずは2期生の話から。

 2期の物語は、新設だった結ヶ丘女子高等学校に再び春が訪れるところから始まります。作品的にはかのんたちが東京大会で敗北しリベンジを誓った1期と地続きの物語ですが、2期から明確に変わったものとして文字通り2期生の存在が挙げられます。

 2期生は5人で活動していたLiella!のメンバーを9人へと増やし、グループに明確な変化をもたらします。春になると新入生がやって来るという変化は当たり前のことですが、かのんたちは当初新入部員についてあまり考えていなかったようです。

でも、ちょっと不思議な感じ。私、この5人で優勝を目指すのかと思っていたから。

TVアニメ『ラブライブ!スーパースター!!』2期 第1話「ようこそLiella!へ!」 より

 そして、それは私たちにとっても同じように感じられたのではないでしょうか。私もメンバーがいきなり9人になるなんて考えていませんでしたし、2期生が発表された当初は様々な議論が起こっていたのを記憶しています。

 しかし、変化=劣化とは限りません。TVアニメでも最初こそ1期生との実力差に葛藤する様子が描かれましたが、9人になったLiella!は去年の記録を超え見事ラブライブ!で優勝を勝ち取ることができました。その功績に2期生の力が必要だったのは、改めて言うまでもないでしょう。

 このように、2期生はLiella!に新たな風を呼び、彼女たちも1年を通して大きく成長する姿を見せてくれました。

 

 ところで、2期生は次の春がやってくれば2年生へと進級します。ラブライブ!シリーズに視野を広げてみると、これまで各作品の物語を牽引してきたのは2年生だったことが思い出されます。歩んできた道のりこそ異なりますが、μ’sには穂乃果が、Aqoursには千歌が、虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会には歩夢がその中心として描かれていました。それぞれ主人公なのでフォーカスされるのは当然ですが、2年生という学年は1年生や3年生と比べて自信や余裕が芽生え、グループのエンジンになりえるものだと思うんです。

 TVアニメ『ラブライブ!スーパースター!!』では、どちらかというとかのんを中心として物語が進んできましたが、「先輩がいる2年生」はかのんたち1期生ですら経験していません。先輩と後輩に挟まれることになる2期生は、受け取ってきたものを受け継いでいく立場にもなると考えられます。Blooming Dance!Dance!は、そんな2期生の今後に期待が高まる絶好のタイミングでリリースされました。

 

 

 

②一歩を踏み出す勇気

 Blooming Dance!Dance!では、悩みながらもスクールアイドル活動に夢中になっていく2期生の様子が描かれています。しかし、その始まりがつつがないものだったかというと、決してそんなことはありませんでした。スクールアイドルはメイを除いて知らない世界であり、Liella!へ加入するにあたり2期生が葛藤するシーンは記憶に新しいですね。

 しかも、これから加入しようとするのは、結成まもなくラブライブ!の東京大会まで勝ち進み、今年の優勝候補だなんて噂がささやかれるLiella!です。ただでさえ知らない世界なのに、これから飛び込もうとするグループにはレジェンドのごとく活躍した1期生がいるわけです。作中で言われていた通り、2期生が加入を躊躇するには充分すぎる理由でしょう。

 そして、その不安はキャストにとっても同じことがいえます。例えば、鈴原希実さんは以前インタビューにて加入当初の不安を語っていました。

ホントに生きた心地がしなかったというか。「2期生」という形で新たにメンバーとして加入するのがラブライブ!シリーズ史上で初めてということもあって、どういう反応がもらえるのか全然わからなかったので、すごく不安な気持ちでいっぱいで。

3rdツアー目前! Liella! 2期生フォト&インタビュー① 桜小路きな子役・鈴原希実 より

 新しい世界へ飛び込むことに対して不安を感じるのは、私たちにとっても一般的な感覚だと思われます。進学や就職で生活の環境が変わったり、何か新しいことを始めたりするときは、少なからず不安を感じるものではないでしょうか。

 鈴原希実さんの心情は想像するに余りありますが、メンバーとキャストのどちらも始まりの時に「完成されたグループに飛び込む不安」を感じており、これは2期生を考えるにあたって外せない要素だと思うんです。

 

ドキドキだった 不安も忘れるほど
はじめましての瞬間

 Blooming Dance!Dance!の歌詞にも「不安」という言葉が見られますが、こちらは「不安も忘れるほど」という表現になっています。一見難しく感じられる言い回しですが、「不安も忘れるほどのどきどき=胸の高鳴り」のように考えることができ、2期生がLiella!へ加入する前に感じていた不安が、自分の中でやりたいと思える理由を見つけ期待へと変化した表現だと思われます。

その手を握って飛びこんだセカイ
もっともっと素敵にしたい

 知らない世界へ飛び込むことに不安を感じていたとしても、勇気を出して一歩を踏み出したからにはずっと不安なままでいるわけにもいかないでしょう。

 そもそも、2期生にとって、スクールアイドルに誘われること自体は必ずしも彼女たちが望んだものとは限らないはずです。しかし、差し伸べられたその手を握ったのは、2期生自身がそれぞれ「スクールアイドルをやりたい」と思えたから。抱えた不安を乗り越え自らが踏み出した一歩だからこそ、その選択をより素敵にしたいと考えるんだと思います。

 

 

 

③もどかしさと楽しさ

アン・ドゥ・ドゥ!
ドゥ・ドゥ!
同じとこでつまずくもどかしい

 Blooming Dance!Dance!の歌詞では、いくつか特徴的な言い回しが見られます。その中でも特に印象的に感じられるのは、「アン・ドゥ・トロワ!」の表現でしょうか。「同じとこでつまずくもどかしい」という歌詞の通り、何度チャレンジしても「トロワ」へと進めない歯がゆい情景が思い浮かびますね。

 私がこの歌詞ですごく好きなところは、同じところでつまずいてしまうもどかしさを否定せず、そのうえでスクールアイドル活動の楽しさを見出しているところです。

でもなんだか 楽しいね
できる時を想うとわくわく
ほらもうすぐ アン・ドゥ・トロワ!

 思えば、2期の物語では「楽しい」という気持ちがとても大切にされていたように感じます。それは2期の挿入歌においても散見され、歌詞をのぞいてみるとビタミンSUMMER!以外のすべての曲で「楽しい」という言葉が使われていることも分かります。

 ビタミンSUMMER!に関しては、2期 第6話で「今日は思いっきり楽しんじゃおう!」というかけ声から始まるので、「すべての曲」と表現しても差し支えないかもしれません。

 スクールアイドル活動が楽しいだけのものではないことは周知の通りですが、楽しいという気持ちが根底にあるからこそ先へ進んでいく活力になりえると思うんです。壁にぶち当たって葛藤する様子は揺らぐわなどの曲でも見られますが、もどかしい思いをするたびに楽しさが背中を押してくれるのは、2期生にとってとても心強いものだったことでしょう。

 

 さて、Blooming Dance!Dance!の歌詞に登場する「アン・ドゥ・トロワ!」のかけ声はフランス語で「1.2.3!」という意味ですが、1.2.3!は1期生が「奇跡をおこす合言葉」として使っていたものでもありました。

奇跡をおこす合言葉は
いつも 1.2.3!

 1.2.3!とBlooming Dance!Dance!が直接関係のある曲だとは思いませんが、先輩のかけ声を受け継ぎつつも自分たちらしく「アン・ドゥ・トロワ!」と表現されているところに感慨深いものを感じます。

 今でこそレジェンドの1期生も、始まった頃は悩みつまずきの繰り返しでした。しかし、そのたびに練習を重ね、ときどき悔しさを噛み締めながらもスクールアイドル活動に楽しさを見出してきたはずです。その過程は2期生も同じであり、こうして芽生えた「楽しい」という気持ちは、2期生をスクールアイドル活動に夢中にさせるだけにとどまらず、彼女たちを大きく成長させることになります。

 

 

 

④曲中で見られる成長

 Blooming Dance!Dance!の歌詞において、1番と2番を比較するといくつか変化している箇所が見られます。

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 分かりやすいものとしては、赤色で示した「僕→僕ら」への変化、そして、青色で示した「ほらもうすぐ→ほらいくよ」への変化が挙げられるでしょうか。これらの変化は、曲中での時間の経過と2期生の成長を示唆しています。

 1番では「僕」にフォーカスされており、1人で試行錯誤しながら「ほらもうすぐ」できそうになることに期待している様子が感じられます。対して、2番では一緒に切磋琢磨する「僕ら」の存在が増え、競走しながら「ほらいくよ」というように、1番と比較してできるようになっている様子が感じられます。練習を重ねたり、仲間が増えたり、時間が経過して2期生自身のできることが増えていく様子はTVアニメで描かれた通りですね。

 

 また、変化という意味では、1番サビと大サビにも印象的な対比が見られます。

一歩踏みだすたび 花が咲くでしょう

一歩踏み出して 花を咲かせよう

 些細な変化のようにも見えますが、1番サビでは花が咲くことを予感しているように感じられるのに対して、大サビではまるで一歩を踏み出せば花が咲くことを知っているかのように感じられます。曲中での時間の経過と2期生の成長が示唆されていることを踏まえると、彼女たちの意識に変化が起きたものといえるでしょう。

 「花が咲く」という表現が何を意味しているのかについては様々な可能性が考えられますが、例えば、花がテーマになっている『リエラのうた』はヒントの1つになるかもしれません。他シリーズにおいても、歩夢の開花宣言という曲や、花帆の「花咲きたい!」という言葉に「花が咲く」という表現が見られますね。

 こういったヒントを踏まえると、「花が咲く」という表現は「夢を叶えて輝くこと」を象徴しているように感じてきます。

 

 2期生は、Liella!に加入してから1期生との実力差に悩みながらも、仲間と汗をかくスクールアイドル活動の楽しさを見つけていきました。そのうち、少しずつLiella!としても戦力になっていき、自分たちで定めた「Starlight Prologueを越える」という夢を叶えることができました。

 その夢を達成することができたのも、不安でも踏み出した最初の一歩があってこそだと思うんです。2期生は4人ともスクールアイドルにならない選択もあったはずですが、1人でも欠けていれば未来は大きく異なっていたことでしょう。

 このように、「一歩踏み出して 花を咲かせよう」という歌詞からは、2期生自身の成長を感じられるだけではなく、勇気を出して踏み出した一歩から夢を叶えた経験を持つ彼女たちだからこその強い説得力を感じさせます。これから先輩になりつつある2期生は、3期生ひいては私たちに「花を咲かせよう」と語りかけてくれているようにも感じますね。

 

 

 

⑤おわりに

 最後までご覧いただきありがとうございました!

 

 Blooming Dance!Dance!は特典曲ということもあり、まだ聴いたことがない方もいらっしゃるかもしれません。しかし、名曲なのはもちろんのこと、挿入歌では歌われることのなかった2期生の4人が歌う曲ということもあり、リリース当初からずっと大好きで聴いていました。来るライブで披露されるかは分かりませんが、TVアニメの振り返りとライブへの期待を込めて本記事とさせていただきました。

 歌詞の解釈は人それぞれ回答が異なるものと思われますが、本記事がBlooming Dance!Dance!の魅力をお伝えする一助となっていれば嬉しいです。

 

 最後に、本記事を作成するにあたって参考にさせていただいた記事をご紹介して終わります。